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九州大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

以下の問いに答えよ。

(1) 自然数a,ba<bをみたすとき、
b!a!bが成り立つことを示せ。

(2) 2a!=b!をみたす自然数の組(a,b)をすべて求めよ。

(3) a!+b!=2c!をみたす自然数の組(a,b,c)をすべて求めよ。

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

整数論証・証明 不等式評価、場合分け、小問利用、背理法

方針

(1)b!/a!を連続する整数の積にする。(2)では右辺が大きいことからa<bを示して(1)を適用する。(3)は対称性からabとし、a<bならa!<c!<b!が従うことを利用する。するとa<c<bとなり、(1)をb!/c!へ適用するだけで矛盾する。

解答

(1)
a<bよりb!a!=(a+1)(a+2)(b1)bである。b以外の因子は、存在すればすべて1以上なのでb!a!bが成り立つ。

(2)
2a!=b!ならb!>a!であるからa<bである。両辺をa!で割るとb!a!=2.(1)より2bである。自然数でa<b2を満たすのは(a,b)=(1,2)だけであり、実際に21!=2!である。したがって(a,b)=(1,2)である。

(3)
式はa,bについて対称なのでabとしてよい。

a=bなら2a!=2c!よりa!=c!であり、自然数上で階乗は狭義に増加するからa=cである。よって(a,b,c)=(k,k,k)(kは自然数)は解である。

次にa<bと仮定する。a!<b!なので、その平均であるc!についてa!<a!+b!2=c!<b!.したがってa<c<bである。元の式をc!で割ると2=a!c!+b!c!.ここでa!/c!>0であり、(1)をc<bへ適用するとb!/c!bだから2>b!c!b.よってb<2となるが、自然数a<c<bとは両立しない。したがってa<bの場合に解はない。

以上より、すべての解は(a,b,c)=(k,k,k)(kは自然数)である。

別解

解法2(cとbの大小による別解)

方針

(1) ,(2)は解法1と同様に処理する。(3)はabとし、a<bの場合にcb1,c=b,c>bの三つへ分ける。各場合で2c!a!+b!の大小を直接比較し、どの位置にもcが存在できないことを示す。

解答

(1) b!a!=(a+1)(a+2)bは因子bを含み、他の因子はすべて1以上なのでb!/a!bである。

(2)
2a!=b!からa<bであり、(1)より2=b!a!b.よってa<b2から(a,b)=(1,2)だけである。

(3)
対称性からabとする。a=bならa=cとなり、(a,b,c)=(k,k,k)を得る。

a<bと仮定する。まずcb1なら2c!2(b1)!b!であるが、a!+b!>b!なので矛盾する。次にc=bならa!+b!=2b!からa!=b!となりa=bに反する。最後にc>bなら2c!2(b+1)!>2b!である一方、a<bよりa!+b!<2b!なので矛盾する。したがってa<bに解はない。

よってすべての解は(a,b,c)=(k,k,k)(kは自然数)である。

総評

誘導(1)は単独の不等式ではなく、(2)ではbを小さく絞り、(3)ではb!/c!を下から押さえるために用意されている。(3)では式の対称性を明記してabと置けば重複した場合分けを避けられる。a<bならc!a!,b!の厳密な平均なのでa!<c!<b!となることが最短の橋渡しである。最終解(k,k,k)は代入によりk!+k!=2k!を満たす。なお自然数を正の整数とする出題上の慣例の下では階乗は狭義単調であり、a!=c!からa=cとしてよい。

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出典: 九州大学 2024年度一般選抜(前期日程)数学 問題照合記録(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。