方針
(1) は と仮定し,互いに素な整数表示から偶奇の矛盾を出す。(2) は二項定理で を展開し, により偶数番目の項だけが残ることを見る。 が偶数なら残る は整数, が奇数なら全体が の正の整数倍になるため,(1) を使って整数でないと示す。
解答
(1) が有理数であると仮定する。このとき,互いに素な自然数 を用いて と表せる。両辺を2乗すると であるから となる。したがって は偶数であり, も偶数である。そこで とおくと より である。よって も偶数であり, も偶数である。これは が互いに素であることに反する。したがって ことが示された。
(2)
二項定理より であり,また である。したがって和をとるとである。ここで が奇数のときは , が偶数のときは である。よって偶数の に対応する項だけが残る。 が偶数のとき,残る項では も偶数なので, は偶数である。したがって は整数であり,各項は整数である。よって全体も整数である。
次に が奇数のときを考える。このとき,残る項では が偶数であるから, は奇数である。よって各項は の形である。残る各項の係数はすべて正なので,和は と表せる。ただし は正の整数である。もしこの値が整数なら, となり, が有理数になってしまう。これは (1) に反する。したがって が奇数のときは整数ではない。
以上より,必要十分条件は である。
別解
解法2(共役な数列の漸化式を用いる方法)
方針
, とおく。偶数乗では与式が ,奇数乗では になる。和と差を , から得られる整数係数漸化式で判定する。
解答
(1)
とし, を互いに素な自然数と仮定する。 より は偶数である。 とおけば となり, も偶数である。これは互いに素という仮定に反するから, は無理数である。
(2) とおくと,, である。したがって はともにを満たす。
とおくとであるから,すべての は整数である。またとおくと,同様にであり, では は正の整数である。
ここで だから,与式を とすれば, が偶数のとき が奇数のときは は0でない整数であり, は無理数だから,この値は整数ではない。よって必要十分条件はである。
総評
難度4,計算量4。想定時間は15分程度。(1) は互いに素な分数表示から がともに偶数となる矛盾を出す。(2) の二項定理解法では,偶数の添字だけが残ることを示し,奇数 の場合は単に「根号が残る」とせず, の0でない正整数倍になることまで書く。解法2では共役 の和と差が整数係数漸化式を満たすため,偶奇の構造を別方向から確認できる。典型的な失点は の符号を見落とし,奇数乗でも共役和としてしまうことである。