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九州大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

以下の問いに答えよ。

(1) 2が無理数であることを示せ。

(2) nを自然数とする。
(2+1)n+(21)nが整数となるための,
nがみたすべき必要十分条件を求めよ。

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

数と式整数論証・証明 背理法、二項定理、必要十分条件

方針

(1)2=p/q と仮定し,互いに素な整数表示から偶奇の矛盾を出す。(2) は二項定理で (2+1)n+(21)n を展開し,1j+(1)j により偶数番目の項だけが残ることを見る。n が偶数なら残る (2)nj は整数,n が奇数なら全体が 2 の正の整数倍になるため,(1) を使って整数でないと示す。

解答

(1) 2 が有理数であると仮定する。このとき,互いに素な自然数 p,q を用いて 2=pq と表せる。両辺を2乗すると 2=p2q2 であるから p2=2q2 となる。したがって p2 は偶数であり,p も偶数である。そこで p=2p1 とおくと 4p12=2q2 より q2=2p12 である。よって q2 も偶数であり,q も偶数である。これは p,q が互いに素であることに反する。したがって 2 は無理数である ことが示された。

(2)
二項定理より (2+1)n=j=0nnCj(2)nj であり,また (21)n=j=0nnCj(2)nj(1)j である。したがって和をとると(2+1)n+(21)n=j=0nnCj(2)nj{1+(1)j}である。ここで j が奇数のときは 1+(1)j=0j が偶数のときは 1+(1)j=2 である。よって偶数の j に対応する項だけが残る。 n が偶数のとき,残る項では j も偶数なので,nj は偶数である。したがって (2)nj=2(nj)/2 は整数であり,各項は整数である。よって全体も整数である。

次に n が奇数のときを考える。このとき,残る項では j が偶数であるから,nj は奇数である。よって各項は nCj(2)nj2=2×{正の整数} の形である。残る各項の係数はすべて正なので,和は 2M と表せる。ただし M は正の整数である。もしこの値が整数なら,2=2MM となり,2 が有理数になってしまう。これは (1) に反する。したがって n が奇数のときは整数ではない。

以上より,必要十分条件は n が偶数であること である。

別解

解法2(共役な数列の漸化式を用いる方法)

方針

α=1+2β=12 とおく。偶数乗では与式が αn+βn,奇数乗では αnβn になる。和と差を α+β=2αβ=1 から得られる整数係数漸化式で判定する。

解答

(1)
2=p/q とし,p,q を互いに素な自然数と仮定する。p2=2q2 より p は偶数である。p=2p1 とおけば q2=2p12 となり,q も偶数である。これは互いに素という仮定に反するから,2 は無理数である。

(2) α=1+2,β=12とおくと,α+β=2αβ=1 である。したがって α,β はともにu2=2u+1を満たす。

Sn=αn+βn とおくとSn+2=2Sn+1+Sn,S0=2,S1=2であるから,すべての Sn は整数である。またDn=αnβnαβとおくと,同様にDn+2=2Dn+1+Dn,D0=0,D1=1であり,n1 では Dn は正の整数である。

ここで 21=β だから,与式を En とすれば,n が偶数のときEn=αn+βn=SnZ.n が奇数のときはEn=αnβn=(αβ)Dn=22Dn.2Dn は0でない整数であり,2 は無理数だから,この値は整数ではない。よって必要十分条件はn が偶数であることである。

総評

難度4,計算量4。想定時間は15分程度。(1) は互いに素な分数表示から p,q がともに偶数となる矛盾を出す。(2) の二項定理解法では,偶数の添字だけが残ることを示し,奇数 n の場合は単に「根号が残る」とせず,2 の0でない正整数倍になることまで書く。解法2では共役 1±2 の和と差が整数係数漸化式を満たすため,偶奇の構造を別方向から確認できる。典型的な失点は 21=(12) の符号を見落とし,奇数乗でも共役和としてしまうことである。

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出典: 九州大学 令和8年度一般選抜(前期日程)数学(文科系・公式問題)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。