Evolton

九州大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

座標空間内の4点O(0,0,0)A(1,1,1)
B(2,2,0)C(4,2,2)と球面S:(x1)2+(y+1)2+(z+1)2=1を考える。3点A,B,Cを通る平面をαとする。
また,点PS上にあり,以下の2つの条件をみたすとする。

● 直線OPαと直交する。

● 点Py座標は1以下である。

以下の問いに答えよ。

(1) Pの座標を求めよ。

(2) Pからαに下ろした垂線とαの交点をHとする。このときOH=OA+sAB+tACをみたす実数s,tを求めよ。

(3) 四面体ABCPの体積を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安22

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算座標設定体積計算

方針

まず AB,AC から平面 α の法線ベクトルを求め,平面方程式を出す。直線 OPα に直交するので,P はその法線ベクトルの実数倍で表せる。球面条件で候補を2つ出し,y1 で選ぶ。(2) では垂線の足 H が同じ直線 OPα の交点であることを使い,最後に OA+sAB+tAC の係数比較を行う。体積は底面 ABC の面積と,P から α までの距離で求める。

解答

(1) AB=BA=(1,1,1),AC=CA=(3,1,1)である。平面 α に垂直なベクトルを (l,m,n) とすると,l+mn=0,3l+m+n=0 を満たせばよい。この連立条件から,例えば (l,m,n)=(1,2,1) をとることができる。したがって α は点 A(1,1,1) を通り,法線ベクトル (1,2,1) をもつ平面であるから (x1)2(y1)(z1)=0 すなわち α: x2yz+2=0 である。

直線 OPα と直交するので,OP の方向はこの法線方向である。よって P=λ(1,2,1) とおける。これを球面 (x1)2+(y+1)2+(z+1)2=1 に代入すると (λ1)2+(2λ+1)2+(λ+1)2=1 である。整理して 6λ28λ+2=0 すなわち 3λ24λ+1=0 を得る。よって (3λ1)(λ1)=0 より λ=13,λ=1 である。点 Py 座標は 2λ であり,これが 1 以下であるから 2λ1λ12 である。したがって λ=1 を選び,P=(1,2,1) である。

(2) P から α に下ろした垂線は直線 OP と同じ方向である。したがって垂線の足 H は,直線 OP と平面 α の交点である。 H=μ(1,2,1) とおくと,Hα 上にあることから μ2(2μ)(μ)+2=0 すなわち 6μ+2=0 である。よって μ=13 となり,H=(13,23,13) である。

一方,OA+sAB+tAC=(1,1,1)+s(1,1,1)+t(3,1,1)であるからOA+sAB+tAC=(1+s+3t, 1+s+t, 1s+t)である。これが OH に等しいので{1+s+3t=13,1+s+t=23,1s+t=13を得る。第1式から第2式を引くと 2t=1 より t=12 である。これを第2式に代入して 1+s12=23 より s=16 である。したがって s=16,t=12 である。

(3)
三角形 ABC の面積を求める。ABAC に垂直なベクトルとして (2,4,2)=2(1,2,1) がとれるので,平行四辺形の面積は 22+(4)2+(2)2=24=26 である。したがって三角形 ABC の面積は 6 である。

次に,点 P(1,2,1) から平面 α:x2yz+2=0 までの距離は 12(2)(1)+212+(2)2+(1)2=86 である。よって四面体 ABCP の体積は 13686=83 である。

総評

難度5,計算量5。想定時間は22分程度。法線ベクトル (1,2,1) を最初に固定すると,平面方程式,点 P,垂線の足 H,高さが同じ軸で処理できる。球面との交点は λ=1/3,1 の2候補が出るため,y1P=(1,2,1) を選ぶ過程が必須である。(2) では P が直線 OP 上にあり,垂線も同じ法線方向なので,その直線自体が PH であることを明記する。体積は底面積と高さの方法に加え,16det(AB,AC,AP)=8/3 でも独立に確認できる。典型的な失点は三角形面積の係数 1/2 と四面体の係数 1/3 の取り違えである。

冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 九州大学 令和8年度一般選抜(前期日程)数学(文科系・公式問題)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。