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名古屋大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験 整数・ベクトル理系数学 第4問(b)

Oを原点とする平面上の点A(3,5)と点P(m,n)mnは整数を動く)を考える.
ただし3点OAPは同一直線上にないものとする.

(1) OAOPを2辺とする平行四辺形の面積の最小値を求めよ.

(2) その最小値を与えるPは2直線上にある.
この2直線を求めよ.

(3) その最小値を与えるPをすべて求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

整数ベクトル図形と方程式 座標設定、合同式、存在証明、剰余分類

方針

平行四辺形の面積は、OA=(3,5)OP=(m,n) から 3n5m と表せる。m,n が整数なのでこの値は整数であり、3点が同一直線上にない条件から0ではない。35 が互いに素であるため 3n5m=1 は実現でき、これが最小値になる。(2)では 3y5x=±1 を出し、(3)ではそれぞれの1次不定方程式を合同式で解く。

解答

(1) OA=(3,5),OP=(m,n) である。OAOP を2辺とする平行四辺形の面積は 3n5m である。

ここで m,n は整数なので、3n5m は整数である。また3点 O,A,P は同一直線上にないから、平行四辺形の面積は0ではない。したがって面積は正の整数である。

さらに 35 は互いに素であり、例えば (m,n)=(1,2) とすれば 3n5m=65=1 となる。よって正の整数としての最小値 1 は実際に達成される。したがって最小値は 1 である。

(2)
最小値を与える条件は 3n5m=1 である。点 P の座標を (x,y) と書けば、これは 3y5x=1 または 3y5x=1 を意味する。したがって求める2直線は 3y5x=1,3y5x=1 である。

(3)
まず 3n5m=1 を解く。これを3で割った余りで見ると 5m1(mod3) であり、51(mod3) だから m1(mod3) である。よって m=1+3t と書ける。ただし t は整数である。このとき 3n=1+5(1+3t)=6+15t より n=2+5t である。したがって一方の直線上の点は (m,n)=(1+3t,2+5t) である。

次に 3n5m=1 を解く。3で割った余りを見ると 5m1(mod3) であり、51(mod3) だから m2(mod3) である。よって m=2+3t と書ける。このとき 3n=1+5(2+3t)=9+15t より n=3+5t である。

以上より、最小値を与えるすべての点 P(m,n)(m,n)=(1+3t,2+5t)または(m,n)=(2+3t,3+5t) である。ただし t は任意の整数である。これらはいずれも 3n5m=1 を満たすので、3点が同一直線上にない条件も自動的に満たしている。

別解

解法2:1つの整数解から平行移動する

方針

最小面積1を与える方程式 3n5m=±1 について、まず1つの整数解を見つける。同じ直線上の整数解同士の差が (3,5) の整数倍になることを示して全解を得る。

解答

(1)
平行四辺形の面積は 3n5m である。これは0でない整数であり、(m,n)=(1,2) なら 3n5m=1 だから、最小値は1である。

(2)
最小値を与える点は3n5m=1または3n5m=1を満たす整数点であり、2直線は 3y5x=±1 である。

(3)
まず 3n5m=1 の1つの解は (m,n)=(1,2) である。別の整数解を (m,n) とすると3(n2)=5(m1).3と5は互いに素だから、m1 は3の倍数、n2 は5の倍数である。よって整数 t を用いて(m,n)=(1+3t, 2+5t)と表される。

同様に 3n5m=1 の1つの解 (2,3) から(m,n)=(2+3t, 3+5t)を得る。したがって、これら2種類が最小面積を与える全ての整数点である。

総評

難度6、計算量5、目安時間20分。面積を整数 3n5m に直し、具体例で最小値1の実現を示す。合同式による全解と、1つの整数解から差を取る方法で、2本の直線と全整数点を照合した。面積0は3点が同一直線上にない条件で除かれる。

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出典: 名古屋大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。