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名古屋大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験 整数・場合の数文系数学 第3問(a)

nを自然数とする.10nより小さい自然数lを,l=k=0n110kakak0ak9なる整数)と表し,s(l)=k=0n1akとおく.
このとき,s(l)+s(10nl) (1l10n1)の最小値とそれを与える自然数lをすべて求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

整数場合の数 剰余分類、場合分け、数え上げ

方針

十進法で下位から見て最初に0でない桁を r とする。10nl を筆算で求めると、r 桁目は 10ar、その上の桁は 9ak になる。これを s(l) と足すと、実際の数字 ak は消え、10+9(n1r) だけが残る。したがって最小にするには r を最大、つまり r=n1 にすればよい。

解答

l1 であるから、下位から見て初めて0でない数字が現れる位置がある。すなわち a0=a1==ar1=0,ar0 となる整数 r がただ一つ定まる。ただし 0rn1 である。 10nl を十進法の筆算で考える。下位 r 桁は0のままで、r 桁目で初めて借り下がりが起こる。したがって 10nl の各桁は、0 桁目から r1 桁目までは0、r 桁目は 10ar であり、r+1 桁目から n1 桁目までは 9ak である。よってs(10nl)=10ar+k=r+1n1(9ak)である。

一方、l の桁和はs(l)=ar+k=r+1n1akである。したがってs(l)+s(10nl)=10+k=r+1n19=10+9(n1r)となる。

この値は r が大きいほど小さい。最大の rr=n1 なので、最小値は 10 である。このとき a0=a1==an2=0,1an19 であるから l=a10n1(a=1,2,,9) である。

よって最小値は 10 であり、それを与える自然数は 10n1, 210n1, , 910n1 である。
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別解

解法2(9が並ぶ数との補数を使う)

方針

10nl=(10n1)(l1) と書く。l の末尾の0の個数を r とし、
l1 の桁和と、9が n 個並ぶ数に対する補数の関係を使う。

解答

l の十進表示の末尾に並ぶ0の個数を r とする。0rn1 である。
l から1を引くと、末尾の r 個の0は9となり、その直前の非零桁が1減るのでs(l1)=s(l)1+9r.また10nl=(10n1)(l1)であり、10n1 は9が n 個並ぶ数である。各桁が補数になるからs(10nl)=9ns(l1).したがってs(l)+s(10nl)=9n+19r=10+9(n1r).最小値は r=n1 のときの10である。このとき下位 n1 桁は0、最高位は1から9なのでl=10n1,210n1,,910n1.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4程度。想定時間は15分から20分程度。十進法の借り下がりを、最初に0でない桁 r で整理する整数問題である。採点では、10ar9ak の違い、桁和を足すと ak が消えること、最小化が r=n1 に対応することが重要である。具体例を1つ筆算してから一般化すると見通しがよい。
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出典: 名古屋大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。