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名古屋大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験 ベクトル・図形と方程式理系数学 第4問(a)

abcを正の数とする.
xyz空間内で点(0,0,0)(a,0,0)(0,b,0)(0,0,c)
(a,b,0)(a,0,c)(0,b,c)(a,b,c)を頂点とする直方体をAとする.
Aの点Pから平面x+y+z=0へ垂線を引き,
その平面との交点をQとする.
PAを動くとき,
Qの動く範囲Bの面積を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

ベクトル図形と方程式 図形的解釈面積計算ベクトル成分計算

方針

Q の動く範囲は、直方体 A を平面 x+y+z=0 に垂直に正射影した図形である。法線方向は (1,1,1) なので、座標面に平行な3種類の面はいずれも射影で面積が 13 倍になる。直方体を法線方向から見ると、3方向の面の射影が B を過不足なく埋めるため、ab,bc,ca の寄与を足せばよい。

解答

P から平面 x+y+z=0 へ垂線を下ろした点が Q であるから、B は直方体 A のこの平面への正射影である。平面 x+y+z=0 の法線方向は (1,1,1) であり、単位法線ベクトルは 13(1,1,1) である。

直方体をこの法線方向から見ると、境界を作るのは座標面に平行な3種類の面である。xy 平面に平行な面の面積は ab であり、その面の法線方向は (0,0,1) である。したがって正射影による面積の倍率は (0,0,1)13(1,1,1)=13 である。よってこの方向の面からの面積の寄与は ab3 である。

同じように、yz 平面に平行な面の面積は bczx 平面に平行な面の面積は ca であり、いずれも射影倍率は 13 である。したがってそれぞれの寄与は bc3,ca3 である。

これら3方向の射影は内部で重ならず、合わせて B 全体を作る。したがって ab+bc+ca3 である。

別解

解法2:3本の射影辺が作る六角形を分解する

方針

射影面内に直交座標を置き、直方体の3本の辺の射影ベクトルを求める。得られる六角形を、2本ずつの射影辺で作る3個の平行四辺形に分けて面積を足す。

解答

平面 x+y+z=0 内の直交する単位方向をe1=12(1,1,0),e2=16(1,1,2)とする。平面内の座標をこれらの方向の成分で表すと、長さ a,b,c の3本の辺の射影はそれぞれp=(a2,a6),q=(b2,b6),r=(0,2c6)である。

射影図形 B は、この3方向の線分を辺にもつ六角形である。この六角形は、p,qq,rr,p を2辺とする3個の平行四辺形に分けられる。それぞれの面積を底辺と高さから計算するとab3,bc3,ca3となる。したがってarea(B)=ab+bc+ca3である。

総評

難度7、計算量6、目安時間24分。3種類の見える面の正射影面積を足す方法と、3本の射影辺が作る六角形を平行四辺形に分ける方法で (ab+bc+ca)/3 を確認した。向かい合う面を二重に足さないことが重要である。行列・行列式・外積は用いていない。

冊子PDFで見る名大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。