Evolton

名古屋大学 1981年度 前期日程 第2次学力試験 整数・場合の数理系数学 第4問(a)

pnは自然数でp2とする.
pnより小さい自然数lを,l=k=0n1akpkak0akp1なる整数)と表し,s(l)=k=0n1akとおく.
このとき,s(l)+s(pnl) (1lpn1)の最小値とそれを与える自然数lをすべて求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

整数場合の数 剰余分類、場合分け、一般化

方針

p 進法で下位から見て最初に0でない桁を r とする。pnl の筆算では、r 桁目が par、それより上が p1ak になる。これを s(l) と足すと ak が消え、p+(n1r)(p1) となる。最小化は r を最大にするだけなので、r=n1 として対応する l を列挙する。

解答

l1 であるから、下位から見て初めて0でない桁がある。すなわち a0=a1==ar1=0,ar0 となる整数 r がただ一つ定まる。ただし 0rn1 である。 pnlp 進法の筆算で求める。下位 r 桁は0で、r 桁目で初めて借り下がりが起こる。したがって pnl の各桁は、0 桁目から r1 桁目までは0、r 桁目は par であり、r+1 桁目から n1 桁目までは p1ak である。

よってs(pnl)=par+k=r+1n1(p1ak)である。一方s(l)=ar+k=r+1n1akであるからs(l)+s(pnl)=p+k=r+1n1(p1)=p+(n1r)(p1)である。

これは r が大きいほど小さい。よって最小は r=n1 のときにとられ、その値は p である。このとき a0=a1==an2=0,1an1p1 なので l=apn1(a=1,2,,p1) である。

したがって最小値を与える自然数は pn1, 2pn1, , (p1)pn1 である。
\newpage

別解

解法2(全桁が p-1 の数との補数を使う)

方針

pnl=(pn1)(l1) と書く。l の末尾の0の個数を r とし、
pn1 に対する p 進法の補数を利用する。

解答

lp 進表示の末尾に並ぶ0の個数を r とする。0rn1 である。
l から1を引くと、末尾の r 個の0は p1 となり、その直前の非零桁が1減るのでs(l1)=s(l)1+r(p1).またpnl=(pn1)(l1)であり、pn1 の各桁はすべて p1 である。よってs(pnl)=n(p1)s(l1).したがってs(l)+s(pnl)=p+(n1r)(p1).最小値は r=n1 のときの p であり、そのときl=pn1,2pn1,,(p1)pn1.

総評

難度は10段階中6、計算量は10段階中5程度。想定時間は18分から24分程度。十進法版と同じ借り下がりの構造を、一般の p 進法で書く問題である。採点では、最初に0でない桁 r の定義、parp1ak の区別、最小値が r=n1 で出ることが重要である。記号は増えるが、筆算の構造を崩さなければ難しくない。
\newpage

冊子PDFで見る名大の整数の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。