方針
2回を1組にすると、偶数回後に球があり得る箱は 2,4,6 だけになる。2回推移を求め、左右対称性 qn=rn と確率の和から pn だけの1次漸化式にする。
解答
(1)
4番から3番、5番へはそれぞれ確率 1/2、そこから外側へは確率 1/3、4番へは確率 2/3 で移る。したがってp1=32,q1=r1=61.(2)
2回推移は次図のとおりである。例えば2番から2番へは 1/6+(5/6)(1/3)=4/9、4番へは (5/6)(2/3)=5/9。4番からは 1/6,2/3,1/6 であり、6番側は左右対称である。
左右対称性からqn=rnであり、また pn+qn+rn=1。よってpn+1=95qn+32pn+95rn=95+91pn.定数解は 5/8 なので、p0=1 と合わせてpn+1−85=91(pn−85),pn=85+83(91)n.また qn=rn=(1−pn)/2 よりqn=rn=163{1−(91)n}(3)n→∞limpn=85.
別解
解法2:中心と片側の確率差を追う
方針
2回ごとの3本の漸化式を立てた後、対称性で qn=rn とする。定常値を先に求める代わりに、中心の確率と片側の確率の組 dn=pn−310qn を作ると、毎回 1/9 倍になる。確率の和と連立して3数を復元する。
解答
(1)
2回の試行を直接追えばp1=32,q1=r1=61.(2)
2回を1組とする。箱 2,4,6 から2回後の確率を用いるとpn+1=95qn+32pn+95rn,(1)qn+1=94qn+61pn,(2)rn+1=61pn+94rn.(3)初期状態が4番で、規則が4番を中心に左右対称なので、(2)、(3)から帰納的にqn=rnである。dn=pn−310qnとおく。(1)、(2)へ rn=qn を代入するとdn+1=(32pn+910qn)−310(61pn+94qn)=91pn−2710qn=91dn.p0=1,q0=0 なので d0=1。したがってdn=(91)n.またpn+2qn=1.これと pn−310qn=dn を解けばpn=85+83dn,qn=rn=163(1−dn).ゆえにpn=85+83(91)n,qn=rn=163{1−(91)n}.(3) dn→0 だから、n→∞limpn=85 である。
総評
難度6、計算量5、目安20〜25分。2回を1組として箱 2,4,6 に圧縮し、端から戻る確率も自己推移へ含める。左右対称性と確率の和から1次漸化式にすることが得点の中心である。
冊子PDFで見る名大の確率の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。