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名古屋大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験 確率・数列理系数学 第4問(b)

1から順に7まで番号をつけた箱がある.
1つの球を次の規則に従って1つの箱から他の箱に移す試行をくり返すものとする.
球の入っている箱の番号をaとし,
サイコロを振って出た目の数をbとする.
a>bならばa1番の箱に移し,
abならばa+1番の箱に移す.
最初は4番の箱に球が入っている.
2n回(偶数回)の試行後,球が4番の箱に入っている確率をpn
2番の箱に入っている確率をqn,6番の箱に入っている確率をrnとする.

(1) p1q1r1を求めよ.

(2) n2に対して,pnqnrnを求めよ.

(3) limnpnを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 状態分類確率漸化式漸化式の変形

方針

2回を1組にすると、偶数回後に球があり得る箱は 2,4,6 だけになる。2回推移を求め、左右対称性 qn=rn と確率の和から pn だけの1次漸化式にする。

解答

(1)

4番から3番、5番へはそれぞれ確率 1/2、そこから外側へは確率 1/3、4番へは確率 2/3 で移る。したがってp1=23,q1=r1=16.(2)

2回推移は次図のとおりである。例えば2番から2番へは 1/6+(5/6)(1/3)=4/9、4番へは (5/6)(2/3)=5/9。4番からは 1/6,2/3,1/6 であり、6番側は左右対称である。

左右対称性からqn=rnであり、また pn+qn+rn=1。よってpn+1=59qn+23pn+59rn=59+19pn.定数解は 5/8 なので、p0=1 と合わせてpn+158=19(pn58),pn=58+38(19)n.また qn=rn=(1pn)/2 よりqn=rn=316{1(19)n}(3)limnpn=58.

別解

解法2:中心と片側の確率差を追う

方針

2回ごとの3本の漸化式を立てた後、対称性で qn=rn とする。定常値を先に求める代わりに、中心の確率と片側の確率の組 dn=pn103qn を作ると、毎回 1/9 倍になる。確率の和と連立して3数を復元する。

解答

(1)

2回の試行を直接追えばp1=23,q1=r1=16.(2)

2回を1組とする。箱 2,4,6 から2回後の確率を用いるとpn+1=59qn+23pn+59rn,(1)qn+1=49qn+16pn,(2)rn+1=16pn+49rn.(3)初期状態が4番で、規則が4番を中心に左右対称なので、(2)、(3)から帰納的にqn=rnである。dn=pn103qnとおく。(1)、(2)へ rn=qn を代入するとdn+1=(23pn+109qn)103(16pn+49qn)=19pn1027qn=19dn.p0=1,q0=0 なので d0=1。したがってdn=(19)n.またpn+2qn=1.これと pn103qn=dn を解けばpn=58+38dn,qn=rn=316(1dn).ゆえにpn=58+38(19)n,qn=rn=316{1(19)n}.(3) dn0 だから、limnpn=58 である。

総評

難度6、計算量5、目安20〜25分。2回を1組として箱 2,4,6 に圧縮し、端から戻る確率も自己推移へ含める。左右対称性と確率の和から1次漸化式にすることが得点の中心である。

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出典: 名古屋大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。