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名古屋大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

円周上に,右まわりの順で3点ABCがあり,
円周に沿ってこれらの点の上を右まわりに進むものとする.
1つのサイコロを投げて,偶数の目が出ればその数だけ進み,
奇数ならば1つ進む試行をくり返す.
初めAにいて,n回の試行の後でAにいる確率をpn
Bにいる確率をqnCにいる確率をrnとして,
次の問に答えよ.

(1) pnrn1 (n2)で表せ.

(2) p3nを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 状態分類確率漸化式漸化式の変形

方針

一回の移動を3で割った余り 0,1,2 に整理する。(1) は一つ前の
各位置から A へ来る場合を加える。(2) は3回分の余りを数え、
同じ点へ戻る確率と他の各点へ移る確率から
Pn=p3n の一次漸化式を作る。

解答

(1)

一回に進む数を3で割った余りで見る。余り 0,1,2 となる確率は
それぞれ16,23,16である。したがってpn=16pn1+16qn1+23rn1.pn1+qn1+rn1=1 よりpn=16+12rn1.(2)

3回後に同じ点へ戻る確率は(16)3+(23)3+(16)3+6162316=512.3回後に右隣の点へ行く確率は3(16)223+316(16)2+3(23)216=724.左隣へ行く確率も 7/24 である。

Pn=p3n とおくと P0=1 であり、Pn+1=512Pn+724(1Pn)=724+18Pn.よってPn+113=18(Pn13).したがってp3n=Pn=13+238n.

別解

解法2:1回分の多項式と3乗根で数える

方針

一回の移動の重みを多項式 F(x)=(1+4x+x2)/6 にまとめる。
3n 回後に A へ戻るのは指数が3の倍数の項である。
1の3乗根を代入して3の倍数項だけを取り出し、F(ω)
簡単化する。

解答

(1)

一回で 0,1,2 個進む確率は 1/6,2/3,1/6 である。
一つ前に A,B,C にいる場合を分ければpn=16pn1+16qn1+23rn1=16+12rn1.(2)

一回の移動を表す多項式をF(x)=1+4x+x26とする。F(x)3nxk の係数は、3n 回で合計
k 個進む確率である。

ω3=1ω1 を満たす複素数 ω
とると1+ω+ω2=0.任意の整数 k について1+ωk+ω2k={3(kが3の倍数),0(kが3の倍数でない)である。したがってp3n=13{F(1)3n+F(ω)3n+F(ω2)3n}.(1)F(1)=1 である。またF(ω)=1+4ω+ω26=ω2,F(ω2)=ω22.これを (1) へ代入するとp3n=13{1+(ω2)3n+(ω22)3n}=13+238n.

総評

サイコロの目そのものではなく、3点上の移動なので3で割った余りへ直す。
目安時間は20分。(1) は直前の位置による場合分け、(2) は3回を一組に
すると実数の一次漸化式だけで解ける。第2解法は高校数学の複素数を用いた
3の倍数項の抽出で独立に検算した。

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出典: 名古屋大学 1990年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。