方針
原点対称から は奇関数である。(1) は を作り、 と両端の値から区間内の厳密な上下関係を示す。区間外は の単調性で交点が増えないことを確認する。(2) は面積を に整理し、 で微分して を決定する。
解答
(1)
グラフ が原点対称なので でとおく。両端では 。また でよって は厳密に上に凸であり、区間内部では 。奇関数性から なのでを得る。
の式はである。交点を調べるためとおく。 であり、今示した不等式から では 。
では だから、 が で増加することよりゆえに 。
では が偶関数であるからである。 より で 。したがって交点はの2点だけである。
(2)
では が より上にある。囲まれた面積を とすると条件から両辺を で微分するとしたがって積分してゆえにである。
逆に、この多項式は奇関数でありまたよって
別解
解法2:弦の不等式と係数比較を使う
方針
(1) は による厳密な凸性を、原点と を結ぶ弦との比較として使う。(2) は が奇多項式であることから奇数次の項だけを書き、各単項式が面積へ与える係数を直接計算する。恒等式 の係数比較で三次項以外を消す。
解答
(1)
原点対称より は奇関数であり、。また だから、 でグラフは厳密に下に凸である。したがって では、グラフは と を結ぶ弦より下にあり2式を加えると なのでを得る。
では、 が増加するため、長さ の区間上の増分は右へ移すほど大きい。よって で と置けばしたがって では2曲線の差の符号が反対で、区間外では0にならない。交点は 、 のみである。
(2)
は奇多項式なので、ある実数 を用いてと書ける。(1)から面積は各項ごとに計算するとこれがすべての について に等しい。多項式の係数を比較すると は面積に影響しないので任意である。よってこの形なら であり、条件を確かに満たす。
総評
難度は10段階で8、計算量は10段階で7程度。試験場では35〜40分を見込む。原点対称から奇関数、 から正の範囲での厳密な凸性、という2条件を分けて使う。(1) は区間内の上下関係だけでなく、区間外に交点がないことまで示す必要がある。(2) では定積分を必ず表示し、奇関数性で面積を に整理する。微分法と係数比較のどちらでも、最後に得た多項式が元の条件を満たす逆確認まで書く。