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名古屋大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

実数の集合AnAn={xn<xn<n+1}によって定める.
集合A1,A2,,Anの共通部分A1A2An
空集合でない最大のnを求めよ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安16

関数方程式・不等式 範囲評価、場合分け、不等式評価

方針

まず A1 から x>1 がわかる。したがって各条件 k<xk<k+1 は区間 k1/k<x<(k+1)1/k と同値である。共通部分が空でないかどうかは、下端の最大値が上端の最小値より小さいかで決まる。A1 から A4 までは下端最大が 33、上端最小が 54 で、大小比較により交わる。A5 まで入れると上端 6533 より小さくなり、空になる。

解答

まず A1={x1<x<2} であるから、共通部分を考えるときは必ず x>1 である。したがって、正の整数 k について k<xk<k+1kk<x<k+1k と同値である。

よって A1A2An が空でないためには、区間 (kk,k+1k)(k=1,2,,n) が共通部分を持てばよい。

まず n=4 まで調べる。下端は 1,2,33,44=2 である。ここで 2<33 は、両辺を6乗して 23<32 となることから成り立つ。したがって下端の最大は 33 である。

一方、上端は 2,3,43,54 である。この中で最小は 54 である。実際、54<4353<44 から成り立ち、また 54<3<2 も明らかである。

さらに 33<54 である。これは両辺を12乗して 34<53 すなわち 81<125 となることからわかる。したがって A1A2A3A4 は空ではない。

次に n=5 まで入れる。下端の最大は少なくとも 33 であり、上端の最小は高々 65 である。ところが 65<33 が成り立つ。両辺を15乗すると 63<35 すなわち 216<243 である。

したがって A1A5 は空である。これ以後、集合をさらに加えても共通部分が再び空でなくなることはない。よって求める最大の n4 である。

別解

解法2:具体的な共通元を示す

方針

n=4 では具体的に x=29/20 を代入し、4つの不等式をすべて確かめる。n=5 では第3条件と第5条件だけを取り出し、61/5<31/3 により同時には満たせないことを示す。

解答

n=4 についてx=2920をとる。直接計算すると1<2920<2,2<(2920)2=841400<3,3<(2920)3=243898000<4,4<(2920)4=707281160000<5.したがって2920A1A2A3A4であり、この共通部分は空でない。

一方、xA3A5 なら x>1 で、x3>3,x5<6.よってx>31/3,x<61/5.しかし61/5<31/3である。実際、両辺を15乗すれば63=216<243=35となる。これは矛盾である。

したがって A1A5 は空であり、それ以後も空である。
ゆえに最大の nn=4である。

総評

累乗根で表される区間の共通部分を判定する問題である。目安時間は16分。A1 から x>1 と決めてから、k<xk<k+1kk<x<k+1k に直すのが入口である。あとは下端の最大と上端の最小の比較に尽きる。n=4 で空でないことと、n=5 で空になることの両方を示さないと最大性は確定しない。大小比較は小数でなく、同じべきに上げて整数比較にすると安全である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 名古屋大学 1991年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。