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名古屋大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

a2>bを満たす点A(a,b)から曲線y=x2へ2本の接線を引き,その接点をPQとおく.
曲線y=x2の弧PQ上に点RPQRの面積が最大となるように選ぶ.
このとき,

(1)Rの座標を求めよ.

(2) PRQの面積Sabを用いて表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

微分積分図形と方程式 接線・法線面積計算微分による最大最小

方針

接点の x 座標を接線条件から求め、弦 PQ の方程式を書く。底辺 PQ は固定されるので、三角形の面積は弧上の点から弦までの距離が最大のときに最大となる。弦と放物線の差を平方完成して頂点を決める。

解答

(1)
放物線 y=x2x=u における接線は y=2uxu2 である。この接線が点 A(a,b) を通る条件は b=2auu2 であり、整理すると u22au+b=0 である。条件 a2>b より、この2次方程式は異なる2つの実数解を持つ。その解は u=a±a2b である。

ここで D=a2b>0 とおく。接点 P,Qx 座標は aDa+D である。2点を結ぶ弦の方程式は、放物線上の2点 x=u1,u2 を結ぶ弦が y=(u1+u2)xu1u2 であることから y=2axb である。

PQ 上の点を R=(x,x2) とおく。ただし aDxa+D である。弦と放物線の縦の差は (2axb)x2=D(xa)2 である。三角形 PQR の底辺 PQ は固定されているので、面積を最大にするには、R から直線 PQ までの距離を最大にすればよい。この距離は上の縦の差を 1+4a2 で割ったものなので、最大となるのは x=a のときである。

したがって R=(a,a2) である。

(2)
接点の x 座標の差は 2D であり、弦 PQ の傾きは 2a である。よって底辺の長さは PQ=2D1+4a2 である。

また、R=(a,a2) における弦と放物線の縦の差は (2a2b)a2=a2b=D である。したがって R から直線 PQ までの距離は D1+4a2 である。ゆえにS=122D1+4a2D1+4a2=D3/2となる。すなわち S=(a2b)3/2 である。

別解

解法2:面積を保つ座標変換

方針

X=xaY=y(2axb) とおき、弦を水平にする。これは平行移動とせん断なので面積を保つ。移った放物線の頂点が最大の高さを与え、底辺と高さを直接読める。

解答

(1) D=a2b>0とおく。接点の x 座標は、接線条件u22au+b=0の2根だからaD,a+D.また弦 PQy=2axbである。

ここでX=xa,Y=y(2axb)と座標を取り替える。平行移動と、各縦線上で同じ量だけずらすせん断の組合せなので、
三角形の面積は変わらない。

PQY=0 へ移る。放物線はY=x2(2axb)=(xa)2(a2b)=X2Dへ移る。したがって接点は(D,0),(D,0)であり、弧上で Y=0 から最も離れる点は頂点(X,Y)=(0,D)である。元の座標へ戻すとR=(a,a2).(2)
移った三角形の底辺は 2D、高さは D だからS=122DD=D3/2.よってS=(a2b)3/2.

総評

放物線の接線、弦、最大面積を一つにまとめる良問である。目安時間は18分。接点の x 座標が a±a2b になるところまでは標準だが、面積最大を「弦からの距離最大」と読み替えるのが山場である。縦の差 D(xa)2 を作れば、R=(a,a2) は自然に決まる。面積計算では斜めの弦の長さと垂直距離の 1+4a2 が打ち消えるため、最終式が (a2b)3/2 と簡潔になる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 名古屋大学 1991年度 前期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。