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名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

長さ2aの線分の中点Mが1辺の長さlの正方形ABCDの内部にあり、その線分がABCDと2点で交わるとき、点Mの存在する範囲を図示せよ.ただし、2a<lとする.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

図形と方程式 座標設定軌跡図形的解釈

方針

正方形を座標平面に置く。線分の長さが辺長より短いため、交わる2辺は隣り合う。左下の2辺に交わる場合について、線分の向きを角θで表し、両方向へ距離a以内に辺へ到達できる条件を求める。

解答

正方形を0xl,0ylとおき、M=(x,y)とする。2a<lなので、長さ2aの線分が向かい合う2辺と交わることはない。したがって交わる2辺は必ず隣り合う。

左辺x=0と下辺y=0に交わる場合を考える。線分の一方向を(cosθ,sinθ)(0<θ<π2)とする。下辺までの距離はysinθ,反対方向に進んだときの左辺までの距離はxcosθである。中点から線分の各端までの距離はaだから、両方の辺と交わるための条件はxcosθa,ysinθaとなるθが存在することである。これはcosθxa,sinθyaと同値であり、その必要十分条件はx2+y2a2.他の3頂点についても同様である。よって求める範囲はx2+y2a2,(lx)2+y2a2,x2+(ly)2a2,(lx)2+(ly)2a2のいずれかを満たす正方形内部の点である。すなわち四隅を中心とする半径aの四分円板である。円弧は含み、正方形の辺はMが内部という条件により除く。

別解

解法2

方針

三角関数を使わず、線分の単位方向ベクトルを(p,q)とおく。左辺・下辺までの到達条件からxapyaqを得て距離OMを評価し、逆向きも構成して必要十分性を示す。

解答

左下の頂点をOM=(x,y)とする。線分の単位方向ベクトルをe=(p,q),p>0,q>0,p2+q2=1とおく。下辺に向かう距離はy/q、反対方向に左辺へ向かう距離はx/pである。両距離がa以下ならxap,yaqだからOM2=x2+y2a2(p2+q2)=a2.よってOMaは必要である。

逆にOM=ρaとする。ρ>0なのでp=xρ,q=yρと選べばp2+q2=1であり、xp=yq=ρa.したがって方向(p,q)の線分は左辺と下辺の両方に届く。これでOMaが必要十分であることが分かった。4頂点へ同じ議論を適用すれば、解法1の四分円板を得る。

総評

難度は5、計算量は4。2a<lにより向かい合う2辺を排除し、隣り合う2辺だけを扱える。2解法で「頂点からの距離がa以下」が必要十分であることを確認した。線分の端点が正方形の辺上にある必要はないため、答えは円弧だけでなく四分円板全体である。図では円弧を含み、正方形の辺を除く。

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出典: 名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。