方針
正方形を座標平面に置く。線分の長さが辺長より短いため、交わる2辺は隣り合う。左下の2辺に交わる場合について、線分の向きを角θで表し、両方向へ距離a以内に辺へ到達できる条件を求める。
解答
正方形を0≦x≦l,0≦y≦lとおき、M=(x,y)とする。2a<lなので、長さ2aの線分が向かい合う2辺と交わることはない。したがって交わる2辺は必ず隣り合う。
左辺x=0と下辺y=0に交わる場合を考える。線分の一方向を(cosθ,−sinθ)(0<θ<2π)とする。下辺までの距離はsinθy,反対方向に進んだときの左辺までの距離はcosθxである。中点から線分の各端までの距離はaだから、両方の辺と交わるための条件はcosθx≦a,sinθy≦aとなるθが存在することである。これはcosθ≧ax,sinθ≧ayと同値であり、その必要十分条件はx2+y2≦a2.他の3頂点についても同様である。よって求める範囲はx2+y2(l−x)2+y2x2+(l−y)2(l−x)2+(l−y)2≦a2,≦a2,≦a2,≦a2のいずれかを満たす正方形内部の点である。すなわち四隅を中心とする半径aの四分円板である。円弧は含み、正方形の辺はMが内部という条件により除く。
別解
解法2
方針
三角関数を使わず、線分の単位方向ベクトルを(p,−q)とおく。左辺・下辺までの到達条件からx≦ap,y≦aqを得て距離OMを評価し、逆向きも構成して必要十分性を示す。
解答
左下の頂点をO、M=(x,y)とする。線分の単位方向ベクトルをe=(p,−q),p>0,q>0,p2+q2=1とおく。下辺に向かう距離はy/q、反対方向に左辺へ向かう距離はx/pである。両距離がa以下ならx≦ap,y≦aqだからOM2=x2+y2≦a2(p2+q2)=a2.よってOM≦aは必要である。
逆にOM=ρ≦aとする。ρ>0なのでp=ρx,q=ρyと選べばp2+q2=1であり、px=qy=ρ≦a.したがって方向(p,−q)の線分は左辺と下辺の両方に届く。これでOM≦aが必要十分であることが分かった。4頂点へ同じ議論を適用すれば、解法1の四分円板を得る。
総評
難度は5、計算量は4。2a<lにより向かい合う2辺を排除し、隣り合う2辺だけを扱える。2解法で「頂点からの距離がa以下」が必要十分であることを確認した。線分の端点が正方形の辺上にある必要はないため、答えは円弧だけでなく四分円板全体である。図では円弧を含み、正方形の辺を除く。
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出典: 名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。