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名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

aを正の数とする.
xy平面において,次の条件(i)と(ii)を満たす直線lが存在するようなaの範囲を求めよ.

(i) ly切片はaである.

(ii) 放物線y=3x2lで囲まれる図形の面積は4以下である.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分図形と方程式 面積計算判別式、範囲評価

方針

直線を y=mx+a とおく。a>0 なので放物線 y=3x2 と直線は必ず2点で交わり,囲まれる面積は2交点の x 座標の差だけで表せる。交点を与える二次方程式の判別式を D=m2+12a とし,面積を D3/2/54 に直す。傾き m は自由に選べるので,面積の最小値が4以下になる条件を調べ,等号を与える直線が実際に存在することまで確認する。

解答

直線 ly=mx+a とおく。l と放物線 y=3x2 の交点の x 座標は 3x2mxa=0 の2解である。a>0 だから,判別式 D=m2+12a は正であり,2交点は常に相異なる。

この2解を α<β とする。解の差は βα=D3 である。また mx+a3x2=3(xα)(xβ)=3(xα)(βx) なので,囲まれる図形の面積 SS=αβ3(xα)(βx)dx=30βαu{(βα)u}du=36(βα)3=D3/254である。

ここで m を動かすと,D=m2+12a の最小値は m=0 のときの 12a である。したがって,条件を満たす直線が存在するための必要十分条件は (12a)3/2544 である。これを解くと (12a)3/2216=63 より 12a36 すなわち a3 である。 a>0 は問題の仮定であり,0<a3 のときは m=0 とすれば面積が4以下になる。よって求める範囲は 0<a3 である。

別解

解法2

方針

直線と放物線の差を平方完成し、囲まれた部分を左右対称な放物線弓形として積分する。傾き m の影響は弓形の高さ h=a+m2/12 にだけ現れるため、存在条件は h の最小値 a から直接判定できる。

解答

直線を y=mx+a とする。直線と放物線の上下の差を平方完成するとmx+a3x2=a+m2123(xm6)2.ここでh=a+m212,u=xm6とおけば、囲まれた部分ではh3uh3であり、面積 SS=h/3h/3(h3u2)du=4(h3)3/2=4h3/233.固定した a に対し h=a+m2/12a だから、面積が最小になるのは m=0 のときである。したがって、面積が 4 以下となる直線が存在するための必要十分条件は4a3/2334.これは a3 と同値である。仮定 a>0 と合わせると0<a3である。

総評

放物線と直線で囲まれる面積を,交点の差と判別式で処理する問題である。難易度は5,計算量は4程度で,想定時間は15分前後。面積公式を暗記で使う場合でも,今回は係数が 3 なので 3(βα)3/6 になる点を確認したい。存在条件を問われているため,任意の m ではなく m を動かしたときの最小面積を見るのが核心である。最後に m=0 で等号が実現することまで触れると,必要十分性が明確になる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。