方針
接線の式を出し、その x 軸との交点から接線と x 軸でできる三角形の面積を求める。S1 はその三角形から 1≦x≦a の曲線下の面積を引くと整理しやすい。極限では PH=loga を明記し、分子・分母を a(loga)2 で割って低次の項が消えることを確認する。
解答
(1)
曲線 y=logx の導関数は 1/x であるから、点 P(a,loga) における接線 l は y−loga=a1(x−a) すなわち y=ax−1+loga である。この接線が x 軸と交わる点の x 座標は、y=0 として 0=ax−1+loga より x=a(1−loga) である。
接線と x 軸でできる三角形は、高さ loga、底辺の長さ a−a(1−loga)=aloga をもつ。したがってその面積は 21a(loga)2 である。一方、曲線と x 軸、および線分 PH で囲まれた面積は S2=∫1alogxdx である。部分積分、または xlogx−x を微分して確認することで ∫logxdx=xlogx−x だから S2=[xlogx−x]1a=aloga−a+1 となる。したがって S1=2a(loga)2−(aloga−a+1) であり、S2=aloga−a+1 である。
(2) PH は点 P の y 座標に等しいので PH=loga である。よってS2⋅PHS1=(aloga−a+1)loga2a(loga)2−aloga+a−1である。分子・分母を a(loga)2 で割るとS2⋅PHS1=1−loga1+aloga121−loga1+(loga)21−a(loga)21となる。a→∞ のとき loga→∞ であるから、右辺は 11/2=21 に近づく。したがって a→∞limS2⋅PHS1=21 である。
別解
解法2
方針
接線と曲線の上下関係を図で確認し、S1 を接線の x 軸切片から x=1 までの部分と、x=1 から x=a までの部分に分けて積分する。この直接表示を整理して S1,S2 を求め、最高次の a(loga)2 で割って極限を出す。
解答
接線はl(x)=ax−1+logaであり、その x 軸との交点を R とするとxR=a(1−loga).a>1 では xR<1<a である。また logx は上に凸ではなく上に凹なので、1<x<a では接線が曲線より上にある。
(1)
図形を x=1 で分けるとS1=∫xR1l(x)dx+∫1a{l(x)−logx}dx.従ってS1=∫xRal(x)dx−∫1alogxdx=21{a−xR}loga−{aloga−a+1}=2a(loga)2−aloga+a−1.またS2=∫1alogxdx=aloga−a+1.(2)
PH=loga なのでS2⋅PHS1=1−loga1+aloga121−loga1+(loga)21−a(loga)21.a→∞ では 1/loga→0 だからa→∞limS2⋅PHS1=21.
総評
接線、面積、極限が連続して出る微積分の標準問題で、想定時間は20分程度。S1 は直接積分するより、接線下の三角形から S2 を引く構図を図で押さえると見通しがよい。接線の x 軸との交点が a(1−loga) となり、a>e では負になるが、三角形の底辺の長さは常に aloga である点に注意する。極限では「最高次」だけでなく、実際に割って低次項が消えることを書けると答案が締まる。
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出典: 名古屋大学 1998年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。