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名古屋大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

曲線y=logx (x>0)上の点P(a,loga) (a>1)での接線をlとし,
Pからx軸へおろした垂線の足をHとする.
さらに,接線lx軸,および曲線y=logxで囲まれた図形の面積をS1
曲線とx軸,および線分PHで囲まれた図形の面積をS2とする.

(1) S1S2を求めよ.

(2) aの時のS1S2PHの極限を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

積分微分指数・対数 接線・法線面積計算極限計算

方針

接線の式を出し、その x 軸との交点から接線と x 軸でできる三角形の面積を求める。S1 はその三角形から 1xa の曲線下の面積を引くと整理しやすい。極限では PH=loga を明記し、分子・分母を a(loga)2 で割って低次の項が消えることを確認する。

解答

(1)
曲線 y=logx の導関数は 1/x であるから、点 P(a,loga) における接線 lyloga=1a(xa) すなわち y=xa1+loga である。この接線が x 軸と交わる点の x 座標は、y=0 として 0=xa1+loga より x=a(1loga) である。

接線と x 軸でできる三角形は、高さ loga、底辺の長さ aa(1loga)=aloga をもつ。したがってその面積は 12a(loga)2 である。一方、曲線と x 軸、および線分 PH で囲まれた面積は S2=1alogxdx である。部分積分、または xlogxx を微分して確認することで logxdx=xlogxx だから S2=[xlogxx]1a=alogaa+1 となる。したがって S1=a(loga)22(alogaa+1) であり、S2=alogaa+1 である。

(2) PH は点 Py 座標に等しいので PH=loga である。よってS1S2PH=a(loga)22aloga+a1(alogaa+1)logaである。分子・分母を a(loga)2 で割るとS1S2PH=121loga+1(loga)21a(loga)211loga+1alogaとなる。a のとき loga であるから、右辺は 1/21=12 に近づく。したがって limaS1S2PH=12 である。

別解

解法2

方針

接線と曲線の上下関係を図で確認し、S1 を接線の x 軸切片から x=1 までの部分と、x=1 から x=a までの部分に分けて積分する。この直接表示を整理して S1,S2 を求め、最高次の a(loga)2 で割って極限を出す。

解答

接線はl(x)=xa1+logaであり、その x 軸との交点を R とするとxR=a(1loga).a>1 では xR<1<a である。また logx は上に凸ではなく上に凹なので、1<x<a では接線が曲線より上にある。

(1)
図形を x=1 で分けるとS1=xR1l(x)dx+1a{l(x)logx}dx.従ってS1=xRal(x)dx1alogxdx=12{axR}loga{alogaa+1}=a(loga)22aloga+a1.またS2=1alogxdx=alogaa+1.(2)
PH=loga なのでS1S2PH=121loga+1(loga)21a(loga)211loga+1aloga.a では 1/loga0 だからlimaS1S2PH=12.

総評

接線、面積、極限が連続して出る微積分の標準問題で、想定時間は20分程度。S1 は直接積分するより、接線下の三角形から S2 を引く構図を図で押さえると見通しがよい。接線の x 軸との交点が a(1loga) となり、a>e では負になるが、三角形の底辺の長さは常に aloga である点に注意する。極限では「最高次」だけでなく、実際に割って低次項が消えることを書けると答案が締まる。

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出典: 名古屋大学 1998年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。