方針
任意のベクトル に対する恒等式なので、 とおいて の係数を比較する。得られた条件は、2つの行ベクトル , が互いに直交する単位ベクトルであることを表す。そこから が単位円周上にある必要十分条件を取り出し、対応する は を90度回転した2通りで与える。
解答
(1) とおく。条件(*)は任意の実数 に対して が成り立つことを意味する。左辺を展開すると である。これが常に に等しいので、係数比較により を得る。
この3式から の条件を取り出す。第1式、第2式より であり、第3式を2乗すると である。したがって となり、整理して を得る。よって点 は単位円周上になければならない。
逆に、 ならば、たとえば とおくと となり、条件(*)を満たす。したがって存在範囲は で表される円周である。
(2) とする。上で見たように は条件を満たす。また符号を全体に変えた も同じ3つの係数条件を満たす。
実際、 は と直交し、長さが1であればよい。平面上で単位ベクトル に直交する単位ベクトルは2つだけなので、求めるベクトルは である。
別解
解法2
方針
という写像を考える。条件は全てのベクトルの長さを保つことを意味する。内積も保つことを和の長さから導き、標準基底の像が直交単位ベクトルになることから の形を決める。
解答
(1)
写像を考える。条件(*)はが全ての で成り立つことを表す。
任意の に対しだから、 は内積も保つ。
標準の単位ベクトルを 、 とするとは互いに直交する単位ベクトルである。平面では、第2のベクトルは第1を正または負の向きへ 回したものなのでどちらの場合もであり、点 の範囲は単位円周である。
(2)
逆に ならと取れば、 は直交単位ベクトルとなり(*)を満たす。
総評
任意のベクトルに対する恒等式なので、係数比較または長さを保つ写像として処理できる。存在範囲は円板ではなく単位円周である。必要条件を出しただけでなく、 または を実際に構成して十分性を確認した。2通りの符号を落とさないことが重要である。