方針
領域は原点中心半径 の円板と半平面 の共通部分である。存在条件は、円板上で が取り得る最大値を使う。最大・最小は凸な領域上の一次式なので境界で起こり、境界直線 上の点を と置くと、交点と の値が1変数で整理できる。最大だけは円板全体での支持点が半平面に入るかで場合分けする。
解答
(1)
円板 上で、一次式 の最大値を求める。恒等式 より である。したがって である。したがって を満たす点が存在するためには が必要である。逆にこの条件が成り立てば、点 では となるので、条件を満たす点が存在する。よって である。
(2)
以下 とする。境界直線 上の点を と表す。このとき である。円周との交点は より である。
この直線上では である。共通領域における の最小は、半平面の境界上で が最大となる点で起こる。したがって最小にする点は である。
最大について、まず円板だけで を最大にする点は で、その値は である。この点が半平面 に入る条件は すなわち である。
したがって、 のとき、最大にする点は である。一方、 のときは、この円の支持点が半平面の外にあるので、最大は境界直線と円周の交点のうち が大きい方、すなわち で起こる。よって である。
以上をまとめると、 であり、である。ただし である。
(3)
(2)より最大値を とする。 では である。したがって である。 では、円板の支持点が使えるので である。ゆえにである。
グラフは で から始まり、前半は平方根型に増加する。接続点 では であり、後半の直線 も同じ値 をとる。したがってそこから先は傾き の直線となる。
別解
解法2
方針
直交座標を回転し、 とおく。領域は円板 を直線 で切った円弓形となり、目的式は になる。支持点が円弓形内に入るかで最大値を場合分けする。
解答
とおく。これは座標の回転であり、従って条件と目的式はとなる。
(1)
円板が直線 に届く条件は(2)
と円周との交点では最小値は下側の交点でとる。 とおけば、元の座標は円板全体で を最大にする点は、ベクトル の方向にあるである。この点が を満たす条件は従って(3)
上の点で目的式を計算すると接続点では両式とも となる。従ってグラフは から平方根型に増加し、接続点から傾き の直線になる。
総評
円板と半平面の共通部分で一次式を最大・最小にする線形計画型の問題で、想定時間は30分程度。存在条件では の最大値が であることを示し、十分性まで確認する必要がある。最大点は、円だけでの最適点が半平面に入るかどうかで分かれるため、境界値 の導出が採点の山になる。最小点は常に境界直線上の片方の交点で起こるが、 の符号を取り違えると座標が逆になるので、 を明記して判断したい。