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名古屋大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

以下の問に答えよ.

(1) 次式を満足する平面上の点P(x,y)が存在するためには,
実数tはどのような範囲にあるべきか答えよ.ただしt>0とする.2x+y50,x2+y2t2(2) 点Pが前問の式を満足する領域を動くとき,
x+2yを最大および最小にする点Pの座標を求めよ.

(3) 前問においてx+2yの最大値をtの関数として求め,そのグラフをかけ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

図形と方程式関数 図形的解釈、範囲評価、座標設定

方針

領域は原点中心半径 t の円板と半平面 2x+y5 の共通部分である。存在条件は、円板上で 2x+y が取り得る最大値を使う。最大・最小は凸な領域上の一次式なので境界で起こり、境界直線 2x+y=5 上の点を (2+s,12s) と置くと、交点と x+2y の値が1変数で整理できる。最大だけは円板全体での支持点が半平面に入るかで場合分けする。

解答

(1)
円板 x2+y2t2 上で、一次式 2x+y の最大値を求める。恒等式 5(x2+y2)(2x+y)2=(x2y)20 より (2x+y)25(x2+y2)5t2 である。したがって 2x+y5t である。したがって 2x+y5 を満たす点が存在するためには 5t5 が必要である。逆にこの条件が成り立てば、点 (2t5,t5) では 2x+y=5t5 となるので、条件を満たす点が存在する。よって t5 である。

(2)
以下 t5 とする。境界直線 2x+y=5 上の点を (x,y)=(2+s,12s) と表す。このとき x2+y2=(2+s)2+(12s)2=5+5s2 である。円周との交点は 5+5s2=t2 より s=±r,r=t255 である。

この直線上では x+2y=(2+s)+2(12s)=43s である。共通領域における x+2y の最小は、半平面の境界上で s が最大となる点で起こる。したがって最小にする点は Pmin=(2+r,12r) である。

最大について、まず円板だけで x+2y を最大にする点は (t5,2t5) で、その値は 5t である。この点が半平面 2x+y5 に入る条件は 2t5+2t55 すなわち t554 である。

したがって、t55/4 のとき、最大にする点は Pmax=(t5,2t5) である。一方、5t55/4 のときは、この円の支持点が半平面の外にあるので、最大は境界直線と円周の交点のうち x+2y=43s が大きい方、すなわち s=r で起こる。よって Pmax=(2r,1+2r) である。

以上をまとめると、Pmin=(2+r,12r) であり、Pmax={(2r,1+2r)(5t554),(t5,2t5)(t554)である。ただし r=(t25)/5 である。

(3)
(2)より最大値を M(t) とする。5t55/4 では M(t)=(2r)+2(1+2r)=4+3r である。したがって M(t)=4+3t255 である。 t55/4 では、円板の支持点が使えるので M(t)=5t である。ゆえにM(t)={4+3t255(5t554),5t(t554)である。

グラフは t=5M=4 から始まり、前半は平方根型に増加する。接続点 t=55/4 では 4+3(55/4)255=4+94=254 であり、後半の直線 M=5t も同じ値 25/4 をとる。したがってそこから先は傾き 5 の直線となる。

別解

解法2

方針

直交座標を回転し、u=(2x+y)/5, v=(x+2y)/5 とおく。領域は円板 u2+v2t2 を直線 u=5 で切った円弓形となり、目的式は (4u+3v)/5 になる。支持点が円弓形内に入るかで最大値を場合分けする。

解答

u=2x+y5,v=x+2y5とおく。これは座標の回転であり、x=2uv5,y=u+2v5.従って条件と目的式はu5,u2+v2t2,x+2y=4u+3v5となる。

(1)
円板が直線 u=5 に届く条件はt5.(2)
u=5 と円周との交点ではv=±t25.最小値は下側の交点でとる。r=(t25)/5 とおけば、元の座標はPmin=(2+r,12r).円板全体で 4u+3v を最大にする点は、ベクトル (4,3) の方向にある(u,v)=(4t5,3t5)である。この点が u5 を満たす条件はt554.従ってPmax={(2r,1+2r)(5t554),(t5,2t5)(t554).(3)
上の点で目的式を計算するとM(t)={4+3t255(5t554),5t(t554).接続点では両式とも 25/4 となる。従ってグラフは (5,4) から平方根型に増加し、接続点から傾き 5 の直線になる。

総評

円板と半平面の共通部分で一次式を最大・最小にする線形計画型の問題で、想定時間は30分程度。存在条件では 2x+y の最大値が 5t であることを示し、十分性まで確認する必要がある。最大点は、円だけでの最適点が半平面に入るかどうかで分かれるため、境界値 55/4 の導出が採点の山になる。最小点は常に境界直線上の片方の交点で起こるが、s の符号を取り違えると座標が逆になるので、x+2y=43s を明記して判断したい。

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出典: 名古屋大学 1998年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。