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名古屋大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

ABCの3人が,それぞれさいころを振り,出た目の大きい順に順位を決めるものとする.
ただし,同じ目が出た場合は同順位とする.
例えば,ABが5を出しCが3なら,ABが1位でCは3位とする.
Aが5を出しBCが3なら,Aが1位でBCは2位とする.
また,ABCも5を出せば,3人とも1位とする.以下の問に答えよ.

(1) 1位,2位,3位が,すべて単独で決まる確率を求めよ.

(2) Aが1位になる確率を求めよ.

(3) ABの少なくとも一方が1位になる確率を求めよ.

(4) 単独で1位なら4点,2人で1位なら3点,3人で1位なら2点,
単独で2位なら2点,2人で2位なら1点,3位なら0点が与えられる場合,
Aの得点の期待値を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安18

確率場合の数 数え上げ、余事象、期待値

方針

全事象は 63=216 通りで等確率である。(1)は3人の出目がすべて異なる場合、(2)はAの出目を固定してB,Cがそれ以下の場合、(3)は余事象としてCだけが単独1位の場合を数える。(4)は場合ごとに3人の得点合計が常に 6 点であることを確認し、対称性からAの期待値を求める。

解答

(1)
1位、2位、3位がすべて単独で決まるのは、A、B、Cの3人の出目がすべて異なるときである。出目の組は全部で 63=216 通りあり、すべて異なる出方は 654=120 通りである。したがって求める確率は 120216=59 である。

(2)
Aが1位になるとは、Aより大きい目を出した人がいないという意味であり、同点1位も含む。Aの出目が i であるとき、BとCの出目はどちらも i 以下であればよい。そのような組は i2 通りである。

よって求める確率は 12+22+32+42+52+6263=91216 である。

(3)
「AとBの少なくとも一方が1位になる」の余事象は、AもBも1位でない場合である。これはCだけが単独で1位になる場合に限られる。

Cの出目が j であるとき、AとBはどちらも j より小さい目を出す必要があるので、(j1)2 通りである。したがってCだけが単独1位になる出方は 02+12+22+32+42+52=55 通りである。よって求める確率は 155216=161216 である。

(4)
まず、どの出方でも3人に与えられる得点の合計が 6 点であることを確認する。3人の目がすべて異なれば、得点は 4+2+0=6 である。2人が1位で並ぶ場合は 3+3+0=6 である。1人が単独1位で、残り2人が2位で並ぶ場合は 4+1+1=6 である。3人が全員1位で並ぶ場合は 2+2+2=6 である。

A、B、Cは完全に対称であるから、3人の得点の期待値は等しい。3人の得点合計の期待値は常に 6 なので、Aの得点の期待値を E とすると 3E=6 である。したがって E=2 である。

別解

解法2

方針

(1) は異なる3個の目の選び方と並べ方、(2)はAの目を固定した数え上げ、(3)は包除原理で求める。(4)も対称性に頼らず、Aの目を固定し、単独1位・同率1位・単独2位・同率2位の出方を重み付きで合計して検算する。

解答

全事象は 63=216 通りである。

(1)
異なる3個の目を選ぶ方法は 6C3=20 通りで、それをA、B、Cへ割り当てる方法は 3!=6 通りである。従って206216=59.(2)
Aの目を j と固定すると、Aが同率を含めて1位になるB、Cの出方は j2 通りである。従って12+22+32+42+52+62216=91216.(3)
Aが1位になる出方、Bが1位になる出方はそれぞれ91通りである。AとBがともに1位になるには、共通の目を j としてCが j 以下ならよいので1+2++6=21通りである。包除原理より91+9121216=161216.(4)
Aの目を j と固定する。Aが単独1位、2人同率1位、3人同率1位、単独2位、2人同率2位となる出方は、それぞれ(j1)2,2(j1),1,2(6j)(j1),2(6j)通りである。従ってAの得点の総和はj=16[4(j1)2+6(j1)+2+4(6j)(j1)+2(6j)]=432.よって期待値は432216=2.

総評

同順位を含む順位確率の数え上げで、想定時間は18分程度。(2)の「Aが1位」は単独1位だけでなく同点1位を含むので、B,CがA以下と考えるのが正しい。(3)は直接数えるより余事象の「Cだけが単独1位」を数える方が短い。(4)は期待値を直接分布から出そうとすると場合が多いが、得点合計が常に 6 点であることを各順位型で確認すれば、対称性で一気に決まる。

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出典: 名古屋大学 1998年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。