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名古屋大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験 確率・場合の数理系数学 第4問(b)

Aの中に赤玉と白玉がそれぞれ4つ入っていることと,
Bの中に赤玉3つと白玉2つが入っていることが分かっている.

(1)Bから2つの玉を取り出すとき,
取り出される赤玉の個数の期待値を求めよ.

(2)Aから3つの玉を取り出し,そのあと袋Bから2つの玉を取り出す.
その5つの玉のうち赤玉が3つである確率を求めよ.

(3)Aから3つの玉を取り出したあとで,
2つの玉を袋Aから取り出すかあるいは2つの玉を袋Bから取り出すかのどちらかを選択できるとする.
できるだけ多くの赤玉を取り出そうと選択したとき,
最終的に取り出される赤玉の個数の期待値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

確率場合の数 期待値、条件付き確率、場合分け

方針

(1) は袋 B の赤玉割合を使って期待値を出す。(2)は袋 A から3個取ったときの赤玉数 i の分布と,袋 B から2個取ったときの赤玉数の分布を別々に求め,和が3になる組み合わせを足す。(3)は最初に袋 A から取れた赤玉数 i ごとに,残った袋 A からさらに2個取る期待値 2(4i)/5 と袋 B の期待値 6/5 を比較し,選択後の総期待値を条件付きで平均する。

解答

(1)

B には5個中3個の赤玉がある。2個取り出すとき,それぞれの取り出し位置について赤玉である確率は 3/5 である。したがって赤玉の個数の期待値は 235=65 である。

(2)

A から3個取り出したときの赤玉の個数を i とする。袋 A には赤玉4個,白玉4個があるので,P(i=0)=4C04C38C3=114,P(i=1)=4C14C28C3=37,P(i=2)=4C24C18C3=37,P(i=3)=4C34C08C3=114である。

また,袋 B から2個取り出すとき,赤玉が0個,1個,2個である確率はそれぞれ2C25C2=110,3C12C15C2=35,3C25C2=310である。

5個の玉のうち赤玉が3個になるのは,(i,袋 B からの赤玉数)=(1,2),(2,1),(3,0) の場合である。したがって求める確率は37310+3735+114110=970+1870+1140=55140=1128.(3)

A から最初に3個取り出したときの赤玉の個数を i とする。このとき袋 A には赤玉が 4i 個,白玉が 1+i 個,合計5個残っている。したがって,残った袋 A からさらに2個取り出すときの赤玉の期待値は 24i5=82i5 である。一方,袋 B から2個取り出すときの赤玉の期待値は(1)より 65 である。

よって追加で取る2個については,i=0 なら袋 A, i=1 ならどちらでも同じ, i=2,3 なら袋 B を選べばよい。

(2) で求めた分布よりP(i=0)=114,P(i=1)=37,P(i=2)=37,P(i=3)=114である。各場合の最終的な赤玉個数の期待値は,すでに得た i 個に,選んだ袋からの期待値を加えて i=0:85, i=1:1+65=115, i=2:2+65=165, i=3:3+65=215 である。したがって求める期待値は11485+37115+37165+114215=870+6670+9670+2170=19170.

最初に赤を多く引くほど袋 A の赤玉が減るため、最適な選択が切り替わる。

総評

条件付き確率と条件付き期待値を分けて整理する問題である。想定時間は20分前後,難易度は6,計算量は5程度。(2)では袋 A と袋 B の分布を混ぜず,赤玉数の和が3になる組だけを足すとミスが少ない。(3)では,最初に取れた赤玉数 i が大きいほど残った袋 A の赤玉が少なくなるため,常に同じ袋を選ぶわけではない。比較対象は追加2個の期待値であり,最後に既に取った i 個を足すことを忘れないようにしたい。

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出典: 名古屋大学 2008年度 前期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。