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名古屋大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験 確率・数列理系数学 第4問(b)

袋の中に赤と黄と青の玉が1個ずつ入っている.
「この袋から玉を1個取り出して戻し,出た玉と同じ色の玉を袋の中に1個追加する」
という操作をN回繰り返した後,赤の玉が袋の中にm個ある確率をpN(m)とする.

(1) 連比p3(1):p3(2):p3(3):p3(4)を求めよ.

(2) 一般のNに対しpN(m)1mN+1)を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 確率漸化式数学的帰納法状態分類

方針

黄と青をまとめて「赤以外」とみなす。初めの個数は赤1,赤以外2である。(1)は3回の直接計算で比を出す。(2)ではN回後の全体がN+3個であることから,赤玉数の遷移式を立てる。(1)から予想される一次式型の分布を数学的帰納法で証明し,端点も確認する。

解答

(1)

黄と青をまとめて「赤以外」とする。赤を引く回数が0,1,2,3回の場合をそれぞれ計算するとp3(1)=233445=410,p3(2)=3110=310,p3(3)=3115=210,p3(4)=132435=110.したがってp3(1):p3(2):p3(3):p3(4)=4:3:2:1.(2)

N回後の全体の玉数はN+3個である。次の操作後に赤玉がm個となる場合を直前の赤玉数で分けるとpN+1(m)=m1N+3pN(m1)+N+3mN+3pN(m).(1)範囲外の確率は0とする。pN(m)=2(Nm+2)(N+1)(N+2)(1mN+1)(2)を数学的帰納法で示す。N=1ではp1(1)=23,p1(2)=13なので(2)が成り立つ。

N=kで(2)が成り立つと仮定する。2mk+1について(1)へ代入するとpk+1(m)=m1k+32(km+3)(k+1)(k+2)+k+3mk+32(km+2)(k+1)(k+2)=2(k+3m)(k+2)(k+3).端点m=1,k+2でも,消える項を0とみなせば同じ式が成り立つ。これはN=k+1での(2)である。

以上よりpN(m)=2(Nm+2)(N+1)(N+2)(1mN+1).

初期に赤以外が2個あるため,確率は右下がりになる。

別解

解法2(出現順序を数える)

方針

赤以外の2色を一つの群としてまとめる。N回中,赤をk=m1回引く順序を固定すると,赤側の分子は12k,赤以外側は初期値2から始まるので23(Nk+1)となる。固定順序の確率にNCkを掛ければ一般式が直接得られる。

解答

(1)

以下の一般式にN=3を代入するとp3(m)=5m10(1m4).したがってp3(1):p3(2):p3(3):p3(4)=4:3:2:1.(2)

黄と青をまとめて「赤以外」とみなす。初めに赤は1個,赤以外は2個ある。
N回中,赤を引く回数をk=m1とする。

赤がk回,赤以外がNk回出る順序を一つ固定する。赤を引く各回の分子の積はk!,赤以外を引く各回の分子の積は23(Nk+1)=(Nk+1)!である。各回の全玉数の積は34(N+2)=(N+2)!2.したがって固定順序の確率は2k!(Nk+1)!(N+2)!.これは順序によらない。赤が出る位置はNCk通りだからpN(k+1)=NCk2k!(Nk+1)!(N+2)!=2(Nk+1)(N+1)(N+2).k=m1よりpN(m)=2(Nm+2)(N+1)(N+2)(1mN+1)を得る。

総評

難度7,計算量5。文系第3問(b)と同じPólya型だが,赤以外が初めに2個あるため分布は一様ではなくmに関する右下がりの一次式になる。解法1では全玉数N+3と赤以外の個数N+3mを正確に置き,帰納法の端点も確認する。解法2は初期個数2が階乗(Nk+1)!に反映される構造を示す。問題本文の既存転記にあった「出た玉を同じ色の玉」は,照合済み原文どおり「出た玉と同じ色の玉」へ訂正した。18分から20分が目安である。

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出典: 名古屋大学 2007年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。