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名古屋大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

a,bを実数とする。

(1) 整式x3を2次式(xa)2で割ったときの余りを求めよ。

(2) 実数を係数とする2次式f(x)=x2+αx+β
整式x3を割ったときの余りが3x+bとする。
bの値に応じて,このようなf(x)が何個あるかを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

数と式方程式・不等式 恒等式比較、式変形、微分による最大最小、場合分け

方針

(1) は余りを px+q とおき、x3(px+q)(xa)2 で割り切れる条件を、x=a での値と微分係数がともに0になる条件として処理する。(2)は f(x)=x2+αx+β で割った余りを合同式 x2αxβ から求める。係数比較により β=α23b=α33α となるため、最後は3次関数 h(α)=α33α の実数解の個数を増減で数える。

解答

(1) x3(xa)2 で割った余りを px+q とおく。このとき x3(px+q)(xa)2 で割り切れる。したがって x=a を代入した値が0であり、さらに微分した式も x=a で0になる。

まず値から a3(pa+q)=0 すなわち pa+q=a3 である。次に微分すると 3x2p であるから、x=a3a2p=0 となる。よって p=3a2 であり、これを pa+q=a3 に代入して 3a3+q=a3 だから q=2a3 である。

したがって求める余りは 3a2x2a3 である。

(2) f(x)=x2+αx+β で割ることを考える。f(x) を法として x2αxβ である。したがってx3=xx2x(αxβ)=αx2βxα(αxβ)βx=(α2β)x+αβである。

この余りが 3x+b であるから、係数を比較して α2β=3,αβ=b を得る。よって β=α23 であり、b=α(α23)=α33α である。

逆に、実数 αb=α33α を満たせば、β=α23 とおくことで、条件を満たす2次式 f(x)=x2+αx+β がただ1つ定まる。したがって、求める個数は方程式 α33α=b の実数解の個数に等しい。 h(α)=α33α とおくと h(α)=3α23=3(α1)(α+1) である。よって h(,1)で増加,(1,1)で減少,(1,)で増加する。また h(1)=2,h(1)=2 である。

したがって水平線 y=b との交点の個数を考えると、条件を満たす f(x) の個数は{1(b<2 または 2<b),2(b=2 または b=2),3(2<b<2)である。

別解

解法2

方針

(1)x=a+t とおいて二項展開し、t2 以上の項を除くことで余りを直接読む。(2)は筆算に相当する恒等式で余りを求める。得られる b=α33α については微分を使わず、差の因数分解から3区間での単調性を示して水平線との交点数を数える。

解答

(1) t=xa とおくと x=a+t である。二項展開によりx3=(a+t)3=a3+3a2t+3at2+t3.(xa)2=t2 で割った余りには t2 以上の項は残らない。したがって余りはa3+3a2t=a3+3a2(xa)=3a2x2a3である。

(2) 多項式の筆算を恒等式で書くとx3=(x2+αx+β)(xα)+(α2β)x+αβである。したがって余りが 3x+b であるための必要十分条件はα2β=3,αβ=b.よってβ=α23,b=α33αとなる。各 α に対して β は一意に決まるから、2次式の個数はh(α)=b,h(t)=t33tの実数解の個数に等しい。

ここでは微分を使わずに h の動きを調べる。s<t に対してh(t)h(s)=(ts)(t2+ts+s23)である。s<t1 または 1s<t なら
t2+ts+s2>3 なので h(t)>h(s) である。一方、
1s<t1 では t2+ts+s2<3 なので h(t)<h(s) である
(端点を含む等号の場合も区間全体の単調性を損なわない)。

したがって h(,1] で増加、[1,1] で減少、[1,) で増加する。またh(1)=2,h(1)=2.よって水平線 y=b との交点数は{1(b<2 または b>2),2(b=±2),3(2<b<2)であり、これが求める2次式 f(x) の個数である。

総評

余りの計算を3次関数の実数解の個数へつなぐ問題。目安時間は10〜14分。名古屋大学の公式出題意図では、条件を的確に導く力と2次式の個数を決定する論証力が評価対象とされる。α が決まれば β が一意に決まること、b=±2 では重解を重複して数えず異なる α が2個であることを書く。微分による増減と差の因数分解による単調性が一致するので相互検算できる。

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出典: 名古屋大学 2022年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。