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名古屋大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

関数f(x)=x+2x (x>0)に対して,
y=f(x)のグラフをCとする。

(1) f(x)の極値を求めよ。

(2) x軸上の点P(t,0)からCにちょうど2本の接線を引くことができるとする。
そのような実数tの値の範囲を求めよ。

(3) (2)において,Cの2つの接点のx座標をα,β (α<β)とする。
α,βがともに整数であるような組(α,β)をすべて求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

微分関数 接線・法線微分による最大最小、範囲評価、約数・倍数

方針

(1)u=xとおいてu+2/uの最小値を求める。(2)は接点のx座標をsとして,接線のx軸との交点t=sf(s)/f(s)を計算し,切片関数ϕ(s)の値域と増減から接線の本数を判定する。s=2では接線が水平でx軸と交わらないことも確認する。(3)では,ちょうど2本の接線があるとき接点はどちらもs>2側にあるので,同じtを与える整数α,βについてϕ(α)=ϕ(β)を解き,(α2)(β2)=16へ帰着する。

解答

(1)
u=xとおくと,x>0よりu>0であり,f(x)=u+2u である。相加相乗平均より u+2u2u2u=22 である。等号は u=2u すなわち u2=2 のときに成り立つ。したがってx=u2=2で極小値 22 をとる。x0+0またはxf(x)となるので,極大値はない。

(2)
接点のx座標をsとする。s>0である。まず f(x)=12x1xx=x22xx である。s=2のとき接線は水平で,y=22となり,x軸上の点を通らない。したがってs2として考える。

接線の方程式は y=f(s)+f(s)(xs) である。これがx軸と交わる点のx座標をtとすると,y=0を代入して t=sf(s)f(s) である。ここでf(s)=s+2s=s+2s,f(s)=s22ssだからt=ss+2ss22ss=s2s(s+2)s2=s(s+6)s2である。そこで ϕ(s)=s(s+6)s2 とおく。

微分すると ϕ(s)=(s6)(s+2)(s2)2 である。0<s<2ではϕ(s)>0で,lims0+ϕ(s)=0,lims2ϕ(s)=+ だから,この区間の値域は(0,)である。よってt>0なら接線は1本である。

一方,s>2では,2<s<6ϕ(s)>0s>6ϕ(s)<0である。またlims2+ϕ(s)=,ϕ(6)=18,limsϕ(s)=である。したがってs>2側では,t<18のとき2本,t=18のとき1本,18<t<0のとき0本の接線が引ける。

以上より,ちょうど2本の接線を引くことができるのは t<18 のときである。

(3)
(2)より,ちょうど2本の接線があるとき,2つの接点のx座標α,βはいずれも2より大きい。したがって ϕ(α)=ϕ(β) を満たす。s>2では s(s+6)s2=s+8+16s2 であるから,ϕ(α)=ϕ(β)α+8+16α2=β+8+16β2 と同値である。αβなので整理すると (α2)(β2)=16 を得る。

α,βが整数でα<β,かつα,β>2であるから,α2β2は正の整数で,積が16である。正の約数の組を調べると (α2,β2)=(1,16),(2,8) である。したがって (α,β)=(3,18),(4,10) である。

s>2におけるx軸切片t=ϕ(s)。最大値18より下で接点が2つ生じる。

別解

解法2(接点方程式による別解)

方針

接線が点P(t,0)を通る条件を,接点のx座標sに関する二次方程式へ変形する。異なる2本の接線の条件を『異なる2正根』と読み替え,判別式・解の和・積でtの範囲を決める。整数接点はVietaの関係から因数分解して列挙する。

解答

(1)
極値については解法1と同じである。

(2)
接点のx座標をsとすると,主解と同様にt=s(s+6)s2である。これをsについて整理するとs2+(t+6)s2t=0(*)となる。点P(t,0)から異なる2本の接線が引けることは,(*)が異なる2個の正の実数解をもつことと同値である。

(*)の判別式,2解の和,積はそれぞれD=(t+6)2+8t=(t+18)(t+2),s1+s2=(t+6),s1s2=2tである。異なる2正根のためにはD>0(t+6)>02t>0が必要十分である。これらを同時に満たすのはt<18である。

(3)
α,βは(*)の2解だからα+β=(t+6),αβ=2tである。t=αβ/2を消去すると2α+2β=αβ12,(α2)(β2)=16を得る。2<α<βは整数なので,正の因数対は(α2,β2)=(1,16),(2,8)だけである。よって(α,β)=(3,18),(4,10)となる。

総評

接点から見たx軸切片の関数を調べる微分・接線問題。目安時間は22分。接点sに対してt=sf(s)/f(s)を作り,s=2の水平接線を除いたうえで,0<s<2s>2の値域を分けるのが核心である。別解では接点条件をsの二次方程式に直し,判別式・解の和・積から接線の本数を一度に判定できる。

公式出題意図との対応:公式の出題意図は無理関数のグラフを題材に,極値,接線,二次方程式を横断して考える力を見るものとしている。主解ではグラフの増減を,別解では二次方程式の実数解条件を明示し,双方からt<18を得た。

出典確認:公式問題PDF第1ページの第1問と照合済み。公式公開物は「出題の意図」で,解答例ではない。

独立検算:t=20では接点方程式がs214s+40=0となってs=4,10の2解を持ち,t=18では(s6)2=0となることを確認した。整数解は(α2)(β2)=16の正の因数対を全探索し,(3,18),(4,10)だけである。

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出典: 名古屋大学 令和6年度一般選抜(前期日程)数学(理科系) 公式問題・出題の意図(大学公式の問題PDF(1ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。