方針
(1) はとおいての最小値を求める。(2)は接点の座標をとして,接線の軸との交点を計算し,切片関数の値域と増減から接線の本数を判定する。では接線が水平で軸と交わらないことも確認する。(3)では,ちょうど2本の接線があるとき接点はどちらも側にあるので,同じを与える整数についてを解き,へ帰着する。
解答
(1)
とおくと,よりであり, である。相加相乗平均より である。等号は すなわち のときに成り立つ。したがってで極小値 をとる。またはでとなるので,極大値はない。
(2)
接点の座標をとする。である。まず である。のとき接線は水平で,となり,軸上の点を通らない。したがってとして考える。
接線の方程式は である。これが軸と交わる点の座標をとすると,を代入して である。ここでだからである。そこで とおく。
微分すると である。ではで, だから,この区間の値域はである。よってなら接線は1本である。
一方,では,で,でである。またである。したがって側では,のとき2本,のとき1本,のとき0本の接線が引ける。
以上より,ちょうど2本の接線を引くことができるのは のときである。
(3)
(2)より,ちょうど2本の接線があるとき,2つの接点の座標はいずれも2より大きい。したがって を満たす。では であるから,は と同値である。なので整理すると を得る。
が整数で,かつであるから,とは正の整数で,積が16である。正の約数の組を調べると である。したがって である。
における軸切片。最大値より下で接点が2つ生じる。
別解
解法2(接点方程式による別解)
方針
接線が点を通る条件を,接点の座標に関する二次方程式へ変形する。異なる2本の接線の条件を『異なる2正根』と読み替え,判別式・解の和・積での範囲を決める。整数接点はVietaの関係から因数分解して列挙する。
解答
(1)
極値については解法1と同じである。
(2)
接点の座標をとすると,主解と同様にである。これをについて整理するととなる。点から異なる2本の接線が引けることは,(*)が異なる2個の正の実数解をもつことと同値である。
(*)の判別式,2解の和,積はそれぞれである。異なる2正根のためには,,が必要十分である。これらを同時に満たすのはである。
(3)
は(*)の2解だからである。を消去するとを得る。は整数なので,正の因数対はだけである。よってとなる。
総評
接点から見た軸切片の関数を調べる微分・接線問題。目安時間は22分。接点に対してを作り,の水平接線を除いたうえで,との値域を分けるのが核心である。別解では接点条件をの二次方程式に直し,判別式・解の和・積から接線の本数を一度に判定できる。
公式出題意図との対応:公式の出題意図は無理関数のグラフを題材に,極値,接線,二次方程式を横断して考える力を見るものとしている。主解ではグラフの増減を,別解では二次方程式の実数解条件を明示し,双方からを得た。
出典確認:公式問題PDF第1ページの第1問と照合済み。公式公開物は「出題の意図」で,解答例ではない。
独立検算:では接点方程式がとなっての2解を持ち,ではとなることを確認した。整数解はの正の因数対を全探索し,だけである。