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名古屋大学 2024年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

cを1より大きい実数とする。また,iを虚数単位として,
α=1i2とおく。複素数zに対して,P(z)=z33z2+(c+2)zc,Q(z)=α7z3+3α6z2+(c+2)αzcと定める。

(1) 方程式P(z)=0を満たす複素数zをすべて求め,それらを複素数平面上に図示せよ。

(2) 方程式Q(z)=0を満たす複素数zのうち実部が最大のものを求めよ。

(3) 複素数zについての2つの方程式P(z)=0Q(z)=0が共通解βを持つとする。
そのときのcの値とβを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

複素数平面方程式・不等式 展開・因数分解、回転・拡大、実部虚部比較、必要十分条件

方針

まずP(z)を因数分解し,解を1,1±ic1として複素数平面上に読む。次にα4=1を用いてQ(z)=P(αz)を確認する。これによりQ(z)=0の解は,P(w)=0の解をz=α1wで回転したものになる。(2)は3つの候補の実部を比較する。(3)は共通解βについて,βαβがともにPの解であることを使い,絶対値を保つ回転で対応できる組を調べる。

解答

(1)
P(z)を因数分解する。P(z)=z33z2+(c+2)zc=(z1)(z22z+c)である。c>1なので,z22z+c=0 の解は z=1±1c=1±ic1 である。したがってP(z)=0の解は z=1,z=1+ic1,z=1ic1 である。複素数平面上では,実部がすべて1で,虚部が 0,c1,c1 である3点に対応する。

(2)
α=1i2であるから,α4=1α8=1である。よって α7=α3,α6=α2 である。したがってP(αz)=α3z33α2z2+(c+2)αzc=α7z3+3α6z2+(c+2)αzc=Q(z)である。

よってQ(z)=0P(αz)=0と同値である。P(w)=0の解をwとすれば αz=w,z=α1w=1+i2w である。

s=c1とおく。P(w)=0の解はw=1,1+is,1isである。対応するzの実部はそれぞれ 12,1s2,1+s2 である。s>0なので,最大はw=1isに対応する場合である。したがって求める解は z=1+i2(1is)=1+s2+i1s2 である。すなわち z=1+c12+i1c12 である。

(3)
共通解βがあるとする。P(β)=0かつQ(β)=0であり,Q(β)=P(αβ)だから,β,αβ はいずれもP(z)=0の解である。

P(z)=0の解は 1,1+is,1is(s=c1>0) である。αは絶対値1の複素数なので,掛けても絶対値は変わらない。解1の絶対値は1であり,1±isの絶対値は1+s2>1である。したがってβ=1は不可能である。

よってβ1+isまたは1isであり,αβはもう一方の共役な解でなければならない。まず β=1+is,αβ=1is の場合を調べる。左辺を計算するとα(1+is)=1i2(1+is)=1+s2+is12である。これが1isに等しいので 1+s2=1,s12=s を得る。どちらからも s=21 が従う。

逆にβ=1isとしてαβ=1+isとなる場合を調べると,実部または虚部の比較から正のsは得られない。したがって上の場合だけである。

よって c=1+s2=1+(21)2=422 であり,β=1+i(21) である。したがって c=422,β=1+i(21) である。

図はs=c1=1.2の配置例。青い3点を反時計回りにπ/4回転すると橙色の3点になる。

総評

多項式の因数分解と複素数平面上の回転を結びつける問題。目安時間は20分。P(z)の3解は実部1の一直線上にあり,Q(z)=P(αz)と見抜くと,Qの解はそれらをα1倍,すなわち反時計回りにπ/4回転した点として読める。(3)ではβαβがともにPの解であり,回転が絶対値を保つことを使って候補を尽くす。

公式出題意図との対応:公式の出題意図は複素数および複素数平面を主題としている。解答では単なる代数計算にせず,解の配置,回転の向き,実部最大の点という幾何的意味を図と式の両方で説明した。

出典確認:公式問題PDF第1ページの第2問と照合済み。公式公開物は「出題の意図」で,解答例ではない。

独立検算:Q(z)=P(αz)を係数ごとに再展開した。さらにs=21c=1+s2=422β=1+isP(β)P(αβ)へ代入し,ともに0となることを確認した。

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出典: 名古屋大学 令和6年度一般選抜(前期日程)数学(理科系) 公式問題・出題の意図(大学公式の問題PDF(1ページ))。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。