方針
まずを因数分解し,解をとして複素数平面上に読む。次にを用いてを確認する。これによりの解は,の解をで回転したものになる。(2)は3つの候補の実部を比較する。(3)は共通解について,とがともにの解であることを使い,絶対値を保つ回転で対応できる組を調べる。
解答
(1)
を因数分解する。である。なので, の解は である。したがっての解は である。複素数平面上では,実部がすべて1で,虚部が である3点に対応する。
(2)
であるから,,である。よって である。したがってである。
よってはと同値である。の解をとすれば である。
とおく。の解はである。対応するの実部はそれぞれ である。なので,最大はに対応する場合である。したがって求める解は である。すなわち である。
(3)
共通解があるとする。かつであり,だから, はいずれもの解である。
の解は である。は絶対値1の複素数なので,掛けても絶対値は変わらない。解の絶対値は1であり,の絶対値はである。したがっては不可能である。
よってはまたはであり,はもう一方の共役な解でなければならない。まず の場合を調べる。左辺を計算するとである。これがに等しいので を得る。どちらからも が従う。
逆にとしてとなる場合を調べると,実部または虚部の比較から正のは得られない。したがって上の場合だけである。
よって であり, である。したがって である。
図はの配置例。青い3点を反時計回りに回転すると橙色の3点になる。
総評
多項式の因数分解と複素数平面上の回転を結びつける問題。目安時間は20分。の3解は実部1の一直線上にあり,と見抜くと,の解はそれらを倍,すなわち反時計回りに回転した点として読める。(3)ではとがともにの解であり,回転が絶対値を保つことを使って候補を尽くす。
公式出題意図との対応:公式の出題意図は複素数および複素数平面を主題としている。解答では単なる代数計算にせず,解の配置,回転の向き,実部最大の点という幾何的意味を図と式の両方で説明した。
出典確認:公式問題PDF第1ページの第2問と照合済み。公式公開物は「出題の意図」で,解答例ではない。
独立検算:を係数ごとに再展開した。さらに,,をとへ代入し,ともに0となることを確認した。