Evolton

岡山大学 2016年度 前期 数学I・II・III・A・B理系数学 第4問

座標空間内に,原点 O(0,0,0) を中心とする半径1の球面 S と2点 A(0,0,1)B(0,0,1) がある.O と異なる点 P(s,t,0) に対し,直線 AP と球面 S の交点で A と異なる点を Q とする.さらに直線 BQxy 平面の交点を R(u,v,0) とする.このとき以下の問いに答えよ.

(1) 2つの線分 OPOR の長さの積を求めよ.

(2) su,v を用いて表せ.

(3) lxy 平面内の直線で,原点 O を通らないものとする.直線 l 上を点 P が動くとき,対応する点 Rxy 平面内の同一円周上にあることを証明せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 座標設定軌跡円の性質ベクトル成分計算

方針

直線APと球面の交点,直線BQxy平面の交点を順にパラメータ表示で計算し,R=(s,t,0)/(s2+t2)を得る。(3)では,原点を通らない直線をax+by=1と書き,(2)の関係を代入して円の方程式に変形する。

解答

(1)
ρ2=s2+t2とおく。POよりρ>0である。直線AP上の点は(λs,λt,1λ)と表せる。球面Sとの交点条件はλ2(s2+t2)+(1λ)2=1であり,Aと異なる交点ではλ=2ρ2+1である。よってQ=(2sρ2+1,2tρ2+1,ρ21ρ2+1)である。

直線BQ上の点をB+μ(QB)と表すと,z=0となるのはμ=ρ2+12ρ2のときである。したがってR=(sρ2,tρ2,0)である。ゆえにOR=1ρとなり,OPOR=1である。

(2)
(1)よりu=ss2+t2,v=ts2+t2である。したがってu2+v2=1s2+t2であり,s=uu2+v2である。

(3)
直線lは原点を通らないので,ある実数a,bを用いてax+by=1と表せる。ただしa2+b20である。点P(s,t,0)がこの直線上にあるからas+bt=1である。(1)から同様にs=uu2+v2,t=vu2+v2であるため,代入してau+bvu2+v2=1を得る。すなわちu2+v2=au+bvである。平方完成すると(ua2)2+(vb2)2=a2+b24となる。これは同一円周を表すので,対応する点Rxy平面内の同一円周上にある。

別解

別解(極座標で半径の逆数を捉える)

方針

(1) Pr と偏角 θ で表し,z 軸とその方向を含む断面内で R の半径が 1/r になることを示す。(2) は極座標の成分から s を逆算する。(3) は原点を通らない直線を ax+by=1 と表し,円の方程式へ変形する。

解答

(1) r=OP>0 とし,P=(rcosθ,rsinθ,0)と表す。z 軸と偏角 θ の方向を含む平面で見ると,球面 S は単位円であり,点はA=(0,1),B=(0,1),P=(r,0)と表される。直線 AP と単位円の A でない交点はQ=(2rr2+1,r21r2+1).さらに B,Q,R が一直線上にあり,R の高さは0なので,その水平方向の座標は2rr2+1r2+12r2=1r.よって3次元の座標へ戻すとR=(cosθr,sinθr,0).したがって OR=1/r であり,OPOR=1.(2) 上式からu=cosθr,v=sinθr,u2+v2=1r2.一方,s=rcosθ だからs=uu2+v2.(3) l は原点を通らないから,ある実数 a,b によりl:ax+by=1(a2+b20)と表せる。(1) と同様に t=v/(u2+v2) も成り立つので,as+bt=1 へ代入してu2+v2=au+bvを得る。平方完成すると(ua2)2+(vb2)2=a2+b24.右辺は正であり,これは l によって一意に定まる円周である。

総評

難度6,計算量5。想定時間は20分程度。優先度は「(1)(2) を確保し,(3) で差をつける」。最重要なのは R=(s,t)/(s2+t2) を導く計算であり,交点の選択と PO の確認まで答案に残す。(3) では任意の原点を通らない直線を ax+by=1 と正規化できる理由,逆の成分式,平方完成の3段階が採点点になる。

冊子PDFで見る岡山大学のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 岡山大学 2016年度 前期 理系数学 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。