Evolton

岡山大学 2020年度 前期文系数学 第4問

実数 s に対し、関数 f(x)f(x)=x2xsx1212{f(t)t}dtを満たしている。次の問いに答えよ。

(1) 関数 f(x) を求めよ。

(2) y=f(x) のグラフと x 軸が異なる3点で交わるような s の範囲を求めよ。

(3) s が (2) の範囲にあるとする。y=f(x) のグラフと x 軸で囲まれる部分の面積 A(s) を求めよ。

(4) A(s) を最小にする s を求めよ。

難易度6/ 10計算量7/ 10目安25

関数積分方程式・不等式 絶対値の処理、面積計算微分による最大最小、パラメータ処理

方針

積分全体を定数 C とおき、得られた f(t) を定義式へ戻して C を自己決定する。絶対値は x=0,1 を境に外し、3つの零点と符号を図で整理してから面積を表示積分で計算する。

解答

(1)

積分全体をC=1212{f(t)t}dtとおく。もとの等式はf(x)=x2xsCxとなる。これを C の定義へ代入するとC=120(t2sCt)dt+012(t2sCt)dt=s.ここでは、2つの t2 の積分が打ち消し合い、Ct の積分も対称区間上で0になることを用いた。したがってf(x)=x2x+s(x1)である。

(2)

絶対値を外すとf(x)={(x1)(x+s)(x0 または 1x),(x1)(xs)(0x1)となる。x=1 は常に零点である。ほかの零点 x=sx0 にあり、x=s0x1 にあり、しかも3点が異なるための条件は0<s<1である。

(3)

0<s<1 のとき零点は s,s,1 であり、符号と囲まれる部分は次図のようになる。

よって面積はA(s)=s0(x1)(x+s)dx0s{(x1)(xs)}dx+s1{(x1)(xs)}dx.前半2つの和は s2、最後の積分は (1s)3/6 だからA(s)=s2+(1s)36である。

(4)

微分するとA(s)=2s(1s)22,A(s)=3s.0<s<1 では A(s)>0 である。停留条件は4s=(1s)2,すなわちs=3±22.このうち 0<s<1 に入るのはs=322だけであり、この値で A(s) は最小となる。

別解

解法2(奇関数の対称性と因数形を使う)

方針

t2tt が積分区間上で奇関数になることを利用し、積分定数を一行で決める。面積は零点を示す因数形のまま積分し、最小性は差を平方因子で表して微分とは独立に確認する。

解答

(1)

再びC=1212{f(t)t}dtとおくとf(t)t={t2tt}sCt.区間 [1/2,1/2] ではt2tt={t2(1/2t0),t2(0t1/2)であり、これは奇関数である。Ct も奇関数だから、対称区間上の積分はどちらも0である。区間の長さは1なのでC=s.したがってf(x)=x2x+s(x1)を得る。

(2)

x00x1 でそれぞれf(x)=(x1)(x+s),f(x)=(x1)(xs)である。零点候補 s,s,1 がそれぞれ所定の区間に属し、相異なるための必要十分条件は0<s<1である。

(3)

負の部分の2つの面積を別々に計算するとs0(x1)(x+s)dx=s22+s36,0s{(x1)(xs)}dx=s22s36.したがって両者の和は s2 である。また、根が s,1 の下に凸の2次関数の面積を計算してs1(x1)(xs)dx=(1s)36.よってA(s)=s2+(1s)36.(4)s0=322とおく。直接展開するとA(s)A(s0)=(ss0)26{3+42s}.0<s<1 では右辺の最後の因子も正であるからA(s)A(s0)であり、等号は s=s0 のときに限る。したがって最小値を与える値はs=322である。

総評

難度6、目安時間25分。最初の積分は数式の中へ押し込まず、未知定数 C として独立させると構造が見える。さらに奇関数の対称性を使えば C=s を短く検算できる。(3)では零点 s,s,1 と各区間の符号を図で確認してから、3本の定積分を表示数式で書く。面積公式と最小化は2解法で一致している。

冊子PDFで見る岡山大学の関数の問題で問題集を作る

出典: 岡山大学 2020年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。