方針
公比をただちに整数と決めず、正の有理数として扱う。まず5項用の恒等式から を示し、商 が整数であることまで確認する。素数条件では なので が必要になり、既約分数で表した公比から自然数等比数列の一般形を書いて、交代和が1になる場合を絞り込む。最後に、全項が1のときだけ候補になり、そのとき で確かに素数になることを確認する。
解答
(1)
公比を とおく。各項は自然数であるから は正の有理数であるが、以下の恒等式はそのまま使える。 また である。したがって を得る。ここで と はどちらも整数で、 である。よって は整数 で割り切れ、その商は である。
(2)
(1)より である。5項はいずれも自然数なので であり、 が素数なら、正の整数の積の分解 において でなければならない。
公比を既約分数 とおく。ただし は互いに素な自然数である。5項すべてが自然数であるため、ある自然数 を用いてと表せる。このとき である。
ここで となる場合を調べる。もし なら である。もし なら である。したがって となるには が必要で、互いに素であることから である。さらに より である。
よって に限られる。このとき であり、これは素数である。したがって求める値は である。
別解
解法2(奇数番目と偶数番目の和)
方針
奇数番目の和を 、偶数番目の和を と置く。等比数列の積の関係から を直接示せば、 が得られる。素数条件では に絞り、公比を既約分数で表して自然数等比数列の一般形を作る。
解答
(1)
奇数番目と偶数番目の和をと置く。このとき 、 である。等比数列ではが成り立つ。したがって は整数であるから、 は で割り切れ、その商は である。
(2)
かつ である。 が素数なら でなければならない。
公比を既約分数 とする。5項がすべて自然数なので、ある自然数 を用いてと表せる。よってと置く。 なら ならしたがって には が必要で、既約性から となる。さらに より である。ゆえに全項が1で、実際に5は素数なので、求める値は である。
総評
等比数列の和に隠れた因数分解と、自然数条件を同時に扱う問題である。目安は18分。最大の注意点は、公比を初めから整数と決めないことと、 の後に が正の整数であることを確認することである。2解法を見比べると、積の恒等式が「奇数番目の和と偶数番目の和の平方差」であることが分かる。