方針
一次変換後の点を新しい座標で置き、元の放物線 y=x2 の条件を代入して C′ の方程式を作る。面積は元の C と得られた C′ の交点を先に求め、どちらが上側かを確認してから差を積分する。最後は面積が a3/27 になるので、a>0 の条件で一意に a を決める。
解答
(1)
元の点を (x,y)、変換後の点を (X,Y) とする。行列の定める変換より X=2x,Y=ax+y である。C 上では y=x2 だから、x=2X を代入してY=a⋅2X+(2X)2=2aX+41X2となる。したがって、変換後の座標をふたたび (x,y) と書けば C′: y=4x2+2ax である。
(2)
交点は x2=4x2+2ax より43x2−2ax=0,x(43x−2a)=0である。したがって x=0,x=32a を得る。 0<x<32a では(4x2+2ax)−x2=2ax−43x2=x(2a−43x)>0であるから、上側は C′、下側は C である。よって囲まれた部分の面積は∫032a(2ax−43x2)dx=[4ax2−41x3]032aである。これを計算すると4a⋅94a2−41⋅278a3=9a3−272a3=27a3となる。面積が1であるから 27a3=1 であり、a>0 より a=3 である。
別解
解法2(媒介変数と相似な面積)
方針
放物線上の点を媒介変数 t で表し、変換後の曲線を求める。2曲線の差を交点間の幅で規格化すると、面積が a3 と一定積分の積になるため、計算の見通しがよい。
解答
(1)
C 上の点を (t,t2) と置く。与えられた変換によって、この点は(X,Y)=(2t,at+t2)へ移る。t=X/2 を代入すればY=2aX+41X2となる。したがってC′: y=4x2+2axである。
(2)
C と C′ の高さの差はh(x)=2ax−43x2であり、交点の x 座標は 0,2a/3 である。ここでx=32au(0≦u≦1)と置くとh(x)=3a2(u−u2),dx=32aduとなる。よって面積は∫02a/3h(x)dx=92a3∫01(u−u2)du=92a3(21−31)=27a3.これが1に等しく、a>0 だから a3=27、すなわち a=3 である。
総評
行列で与えられた一次変換を座標式へ直し、2つの放物線間の面積を求める標準的な融合問題である。目安は15分。変換前後の座標文字を一度 (x,y)、(X,Y) と分けると混乱しにくい。面積では上側の曲線と積分区間を必ず確認する。
冊子PDFで見る阪大の行列の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。