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大阪大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

nは3以上の奇数で,自然数の列a1,a2,,anは等比数列であるとする.S=k=1nak,T=k=1nak2とおく.(1) 整数Tは整数Sの倍数であることを示せ.

(2) Tが素数となるための初項,公比および項数nについての条件を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

数列整数 式変形、約数・倍数、場合分け

方針

文系第1問の5項を、奇数個 n=2m+1 に広げた問題として見る。S に交代和を掛けると二乗和 T になる恒等式を作り、交代和が整数であることから倍数性を示す。素数条件では S>1 なので交代和が1に限られる。公比を既約分数 u/v とし、自然数等比数列の一般形に直して、交代和が1になるのは全項1の場合だけであることを示す。最後に T=n となるため、n 自身が素数であることが必要十分条件になる。

解答

(1)
公比を r とする。n は奇数なので、n=2m+1 と書ける。ただし m1 である。

交代和 U=a1(1r+r2rn2+rn1) を考える。これは U=a1a2+a3an1+an であるから整数である。また(1+r++rn1)(1r+r2rn2+rn1)=1+r2+r4++r2n2が成り立つ。したがって SU=a12(1+r2+r4++r2n2)=T である。よって T は整数 S の倍数である。

(2)
(1)より T=SU であり、SU は正の整数である。実際、U=T/S>0 である。また n3 で各項が自然数だから S3>1 である。したがって T が素数なら U=1 でなければならない。

公比を既約分数 r=uv とおく。ただし u,v は互いに素な自然数である。a1,a2,,an がすべて自然数であるため、ある自然数 c によって ak=cuk1vnk(k=1,2,,n) と表せる。したがって U=cΦ(u,v) である。ただし Φ(u,v)=v2muv2m1+u2v2m2u2m1v+u2m である。 u>v のとき、正の項と負の項を後ろから組にすると Φ(u,v)=v2m+(uv)(u2m1+u2m3v2++uv2m2)>1 である。v>u のときも同様に Φ(u,v)=u2m+(vu)(v2m1+v2m3u2++vu2m2)>1 である。したがって Φ(u,v)=1 となるには u=v が必要で、互いに素であることから u=v=1 である。このとき Φ(1,1)=1 であるから、さらに U=cΦ(u,v)=1 より c=1 である。

以上より、T が素数となるためには a1=a2==an=1 が必要である。この場合 T=12+12++12=n である。したがって T が素数であるためには、n が素数でなければならない。

逆に、初項が1、公比が1で、n が素数なら、全項が1で T=n となり、これは素数である。

ゆえに必要十分条件は 初項 1,公比 1,n が素数 である。問題文で n は3以上の奇数とされているので、この n は奇素数である。

別解

解法2(奇数番目と偶数番目の和)

方針

奇数番目の和 O と偶数番目の和 E に分けると、S=O+E、交代和 U=OE となる。O2E2=T を示して倍数性を得た後、既約分数で表した公比から素数となる必要十分条件を決める。

解答

(1)
n=2m+1 とし、奇数番目と偶数番目の和をO=a1+a3++a2m+1,E=a2+a4++a2mと置く。すると S=O+E であり、U=OE は整数である。公比を r とするとO=a1(1+r2++r2m),E=a1r(1+r2++r2m2).これらを展開して同じ次数の項をまとめるとO2E2=a12(1+r2+r4++r4m)=T.よって T=(O+E)(OE)=SU であり、TS の倍数である。

(2)
S>1 だから、T が素数なら U=1 である。公比を既約分数 u/v とすれば、ある自然数 c によりak=cuk1vnk(1kn)と書ける。したがってU=cΦ(u,v),ただしΦ(u,v)=v2muv2m1+u2m1v+u2m.u>v なら負の項を直前の正の項と組にしてΦ(u,v)=v2m+(uv)(u2m1+u2m3v2++uv2m2)>1.v>u の場合も u,v を入れ替えた同じ式から Φ(u,v)>1 である。ゆえに U=1 には u=v=1、さらに c=1 が必要である。つまり全項が1でなければならない。このとき T=n だから、T が素数であるためには n が素数であることも必要である。

逆に、初項1、公比1、n が素数なら全項が1で T=n は素数となる。したがって必要十分条件は初項が1、公比が1、n が素数である。

総評

奇数個の自然数等比数列に対する一般化問題である。目安は25分。倍数性だけなら恒等式で短く解けるが、素数条件では有理数の公比を既約分数で扱う必要がある。必要条件を出した後、初項1・公比1・n が素数なら実際に成立するという十分性も忘れない。

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出典: 大阪大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。