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大阪大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

放物線y=12x2+12と直線y=1で囲まれる図形をRとする。
行列A=(1331)による1次変換を考え,
x0=(1160)
xn=Anx0,とおく。
xnが図形Rに含まれる自然数nと,
そのときのxnを求めよ。
厳密にはRとは12x2+12y1で定められる図形のことである。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

行列図形と方程式 回転・拡大、範囲評価、場合分け

方針

行列Aを,長さを2倍して原点まわりに120回転する変換として読む。したがってxnの長さは2n/16,方向は120nで決まる。図形R1/2y1にあるので,まず方向からn1(mod3)に絞る。その後,r=2n/16として座標を(r/2,3r/2)と置き,放物線より上かつ直線y=1より下という不等式でrの範囲を求める。最後にn=1,4,7,を調べる。

解答

行列A=(1331)は,複素数で考えれば 1+3i=2(cos120+isin120) を掛けることに対応する。したがって,Aによる一次変換は,長さを2倍し,原点のまわりに120回転する変換である。

初めのベクトルはx0=(1/160)なので,xnの長さは xn=2n16 であり,方向は正のx軸から120nだけ回転した方向である。

図形R12x2+12y1 で定められる。特にy1/2である。120nの方向をnの余りで見ると,n0(mod3)ではx軸方向,n2(mod3)ではy<0の方向になる。したがってRに入る可能性があるのは n1(mod3) の場合だけである。

このときxn=r(12,32),r=2n16と書ける。つまり x=r2,y=32r である。

まずy1より 32r1 だから r23 である。また放物線より上にある条件は 12(r2)2+1232r である。整理すると r28+1232r すなわち r243r+40 である。この2次式の根は r=23±22 なので 2(32)r2(3+2) である。これとr2/3を合わせると 2(32)r23 である。 n1(mod3)である自然数は n=1,4,7, であり,対応するr=2n/1618,1,8, である。このうち上の範囲に入るのはr=1だけである。したがって n=4 である。

このとき x4=1(12,32) なのでn=4,x4=(1232)である。

別解

解法2

方針

A3=8E を直接計算し、n=3q+r に分ける。r=0,2 は座標の符号だけで除外でき、r=1 では A3q+1x0 を明示して、領域 R の二つの不等式へ代入する。

解答

直接計算するとA3=8Eである。そこで n=3q+rr=0,1,2 とおく。

r=0 なら xn は正の x 軸上にあり、R の条件 y1/2 を満たさない。r=2 なら y<0 となるので、これも R に入らない。したがって r=1 だけを調べればよい。x3q+1=8qA(1160)=(8q1638q16).q=0 では y=3/16<1/2 なので領域外である。q=1 ではx4=(1232)であり、12(12)2+12=58<32<1だから R に含まれる。q2 ではy=38q1643>1となるので領域外である。

以上よりn=4,x4=(1232).

総評

行列を回転・拡大と読むか、A3=8E の周期を使う問題。目安は20分。自然数 n を3で分類して方向を先に絞り、領域の下側放物線と上側直線の両方を確認する。連続範囲を求めた後、実際の離散値に戻すことが要点。

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出典: 大阪大学 1994年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。