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大阪大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

次の2つのだ円を考える.だ円A:x24+y2=1,だ円B:x2+y24=1これらに関して,以下の問に答えよ.

(1) だ円Aをだ円Bに移し,
(2,0)を点(cosθ,2sinθ)に移す
1次変換を表す行列を求めよ.

(2) だ円Aをだ円Bに移す1次変換をfとする.
原点をOとし,2点(2,0)(0,1)fによって移る点をそれぞれPQとする.
POQが最小となるようにfを選んだとき,cosPOQを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

行列図形と方程式 回転・拡大ベクトル成分計算、範囲評価

方針

だ円 A(2X,Y)、だ円 B(X,2Y) で単位円に対応させる。したがって求める1次変換は、単位円上の回転または反転をはさんだ形になる。(1)では (2,0) の移る先からその変換の第1列を決め、第2列は直交する単位ベクトルの2通りで出す。(2)では P,Q の内積を符号の選択で最大にし、u=sin2θcos2θ に帰着して角を最小化する。

解答

(1)

だ円 A 上の点は (x,y)=(2X,Y),X2+Y2=1 と表せる。また、だ円 B 上の点は (x,y)=(X,2Y),X2+Y2=1 と表せる。

したがって、だ円 A をだ円 B に移す1次変換は、単位円上で長さと直交を保つ変換をはさんで(1002)R(1/2001)と表される。ここで R は単位円を単位円に移す1次変換であり、回転または反転である。

(2,0) は、単位円側では (1,0) に対応する。これが (cosθ,2sinθ) に移るためには、R の第1列が(cosθsinθ)でなければならない。したがって第2列は、これに直交する単位ベクトルとして(sinθcosθ)または(sinθcosθ)の2通りである。

よって求める行列は(cosθ2sinθsinθ2cosθ)または(cosθ2sinθsinθ2cosθ)である。

(2)

(1) の2通りの行列を考える。(2,0) が移る点はどちらの場合も P=(cosθ,2sinθ) である。一方、(0,1) が移る点 QQ=(sinθ,2cosθ) または Q=(sinθ,2cosθ) である。

それぞれの内積は PQ=3sinθcosθ または PQ=3sinθcosθ である。POQ を最小にするには、cosPOQ を最大にすればよいので、符号の選択により内積を 3sinθcosθ にできる。

またP2=cos2θ+4sin2θ,Q2=sin2θ+4cos2θである。したがってcos2POQ=9sin2θcos2θ(cos2θ+4sin2θ)(sin2θ+4cos2θ)である。 u=sin2θcos2θ とおくと、0u1/4 であり、分母は(cos2θ+4sin2θ)(sin2θ+4cos2θ)=4(sin4θ+cos4θ)+17uである。ここで sin4θ+cos4θ=(sin2θ+cos2θ)22u=12u だから、分母は 4+9u となる。よって cos2POQ=9u4+9u である。これは u が大きいほど大きいので、最大は u=14 のときである。

したがって cos2POQ=9/44+9/4=925 であり、角は最小なので余弦は正として cosPOQ=35 である。

単位円を介した2つのだ円の対応

別解

解法2

方針

変換行列の2列を、だ円 B の二次形式に関する長さと直交条件から
直接決める。(2)では t=tanθ とおき、
相加相乗平均で余弦を一度に評価する。

解答

(1)

変換行列を T=(u v) とする。T(2,0)=(cosθ,2sinθ) よりu=(cosθ/2sinθ).だ円 A の表示 (x,y)=(2X,Y) を使うと、単位円上の
(X,Y) をすべてだ円 B へ送る条件から、第2列はv=(sinθ2cosθ)または(sinθ2cosθ).したがって求める行列は(cosθ/2sinθsinθ2cosθ),(cosθ/2sinθsinθ2cosθ).(2)

符号を適切に選べばcosPOQ=3sinθcosθ(cos2θ+4sin2θ)(sin2θ+4cos2θ).sinθcosθ=0 では余弦は0である。それ以外で
t=tanθ>0 とおくとcos2POQ=9t2(1+4t2)(t2+4)=94t2+17+4/t2.相加相乗平均より4t2+4t28だからcos2POQ925.等号は t=1 のときに成立する。最小角は鋭角なのでcosPOQ=35.

総評

だ円を単位円に戻し、回転または反転をはさんで1次変換を整理する問題。難度は高めで、目安時間は25分前後。(1)では第2列が2通りあることを落としやすい。(2)では角を最小にすることを余弦の最大化に言い換え、さらに内積の符号を選べる点を明確にする必要がある。最後の式整理では sin2θcos2θ1/4 が決め手になる。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 大阪大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 前期 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。