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大阪大学 1996年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

行列A=(abc4)について
以下の問に答えよ.ただし,Oは零行列を表す.

(1) A500=OのときA2=Oが成り立つことを示せ.

(2) A2=Oであり,Aの成分をならべかえて得られる行列がどれも逆行列をもたないとする.
このような条件を満たすabcの組をすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列方程式・不等式 場合分け、必要十分条件、式変形、対称性の利用

方針

2次行列の固有方程式を用いて高い冪を2次まで下げる。(2)はA2=Oから積と和を決め、すべての並べ替えが特異となる条件を3通りの積の組合せで調べる。

解答

(1)
A500=OからdetA=0である。2次行列の固有方程式よりA2(trA)A+(detA)E=O,従ってA2=(trA)Aである。もしtrA0なら、帰納的にA500=(trA)499Aとなり、A500=OからA=Oを得るが、右下成分は4なので矛盾する。従ってtrA=0であり、A2=Oである。
(2)
直接計算するとA2=(a2+bcb(a+4)c(a+4)bc+16)=O.bc=16なのでb,c0であり、b(a+4)=c(a+4)=0からa=4を得る。従って成分の多重集合は{4,4,b,c}で、bc=16である。
4数を2組に分けた積が行列式の正負2項になる。どの並べ替えでも行列式が0であるには、3通りの組分けの積がすべて等しくなければならない。既に(4)4=bc=16であり、さらに(4)b=4cが必要なのでc=bである。bc=16からb2=16を得る。逆に成分が4,4,4,4なら、どの組分けでも対角積と非対角積は等しく、すべて特異である。従って(a,b,c)=(4,4,4),(4,4,4).

別解

解法2

方針

(1) は線形写像として像空間を見る。AO かつ非可逆なので像は1次元で、
その直線上での作用が零でなければ高い冪は零になれない。
(2)は A2=O から成分を決め、4数の3通りの組分けを比較する。

解答

(1)

A500=O なら A は可逆でない。一方、右下成分が4なので AO である。
よって平面上の線形写像 A の像は1次元の直線 L である。
A(L)L だから、L 上ではある実数 λ によりAu=λu(uL)と書ける。もし λ0 なら、L の非零ベクトルに
A500 を作用させても零にならず矛盾する。したがって
A(L)={0} である。
任意の v に対し AvL だからA2v=0.よって A2=O である。

(2) A2=(a2+bcb(a+4)c(a+4)bc+16)=O.bc=16 なので b,c0、したがって a=4 である。
4成分は 4,4,b,c で、(4)4=bc=16 である。

どの並べ替えでも行列式が0となるには、4数を2組に分ける3通りの積が
すべて等しいことが必要十分である。したがって(4)b=4c,よって c=b である。bc=16 から b=±4 を得る。
逆に成分が 4,4,4,4 なら、どの組分けでも両積は等しい。
ゆえに(a,b,c)=(4,4,4),(4,4,4).

総評

難度7、計算量6。500乗を直接扱わず、2次行列の固有方程式で次数を落とす。(2)では単一の並べ替えだけでなく、4成分の3種類の組分けがすべて同じ積をもつ条件として必要十分性を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 大阪大学 1996年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。