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大阪大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

Aを行列(1111)とする.

(1) A4を求めよ.

(2) 自然数nに対して,k=14nAkを求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安10

行列数列 計算整理、和の計算

方針

まず A2 を直接計算し,そこから A4=4E を得る。第2問では 4 乗ごとに (4) 倍されることを利用し,A+A2+A3+A4 を先に求めてから等比数列の和を掛ける。別の方針として,A が複素数の 1+i 倍に対応することを用いると,(1+i)4=4 から同じ周期構造が見える。

解答

(1)
直接計算するとA2=(1111)(1111)=(0220)である。したがってA4=(A2)2=(0220)2=(4004)=4Eを得る。

(2)
(1)より A4=4E であるから,任意の整数 j0r=1,2,3,4 に対して A4j+r=A4jAr=(4)jAr である。よって,4 項ずつまとめるとk=14nAk=j=0n1(A4j+1+A4j+2+A4j+3+A4j+4)={1+(4)++(4)n1}(A+A2+A3+A4)となる。

ここでA3=A2A=(2222)であるから,A+A2+A3+A4=(5555)である。また 1+(4)++(4)n1=1(4)n1(4)=1(4)n5 である。したがってk=14nAk=(1(4)n)(1111)である。

別解

解法2

方針

列ベクトル (x,y) を複素数 z=x+iy と同一視する。行列 A の作用が 1+i の乗法であることを使い、4乗ごとの倍率と4項分の和を複素数の等比構造から求め、最後に行列へ戻す。

解答

(1)
列ベクトル (x,y) を複素数 z=x+iy とみなす。するとA(xy)=(xyx+y)は、複素数では z(1+i)z に対応する。したがって(1+i)2=2i,(1+i)4=4よりA4=4E.(2)
また、最初の4項に対応する複素数の和は(1+i)+(1+i)2+(1+i)3+(1+i)4=(1+i)+2i+(2+2i)4=5+5i.よって対応する行列はA+A2+A3+A4=(5555).j 番目の4項のまとまりはこれの (4)j 倍なのでk=14nAk={j=0n1(4)j}(5555)=1(4)n5(5555)=(1(4)n)(1111).これが求める和である。

総評

計算量は少ないが,A4=4E を見た後のまとめ方で差が出る。目安時間は10分。A4 が単位行列の定数倍になるため,A,A2,A3,A4 の一まとまりを作り,外側に等比数列の係数を掛けるのが最も整理しやすい。A3A+A2+A3+A4 の符号を落とすミスが多いので,途中の行列を一つずつ明示すると減点されにくい。複素数で見る別の方針は構造を短く説明できるが,最後は行列表示に戻す必要がある。

冊子PDFで見る阪大の行列の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1993年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。