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大阪大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

座標平面において,x座標とy座標がともに整数である点を格子点という.
また,2つの格子点を結ぶ長さ1の線分から両端の点を除いたものを格子辺という.
次の問に答えよ.

(1)P(630,5400)を通る直線y=ax(aは定数)は
0x630の範囲で何個の格子辺と交わるか.

(2) nを2以上の整数とする.
P(630,5400)を通る曲線y=bxn(bnにより定まる定数)は,
0x630の範囲で何個の格子辺と交わるか.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安28

図形と方程式整数 数え上げ、最大公約数、約数・倍数

方針

格子辺は格子点を除いた単位の縦横線分なので、曲線が縦の格子線または横の格子線を格子点以外で通過した回数を数える。格子点を通ると、その点自体は格子辺に含まれないため、縦線・横線の両方の数え上げから除く。(1)は直線上の内部格子点数を (630,5400)=90(7,60) から求める。(2)は内部の整数 xy も整数になる点数 N を、既約分母 wn 乗が 5400 を割る条件で分類する。

解答

(1)
P(630,5400) を通る直線 y=ax は原点も通るので a=5400630=607 である。したがって直線は y=607x である。 0<x<630 の範囲にある縦の格子線は x=1,2,,629 の629本である。また 0<y<5400 の範囲にある横の格子線は y=1,2,,5399 の5399本である。

ただし、直線が格子点を通る場合、その点は格子辺から除かれているので、縦の格子辺との交点にも横の格子辺との交点にも数えない。直線上の内部格子点を数える。(630,5400)=90(7,60) であり、760 は互いに素であるから、原点と P の間の格子点は (7,60),(14,120),,(623,5340) の89個である。

よって縦の格子辺と交わる回数は 62989、横の格子辺と交わる回数は 539989 である。したがって求める個数は (62989)+(539989)=5850 である。

(2)
曲線 y=bxn が点 P(630,5400) を通るので 5400=b630n であり、y=5400(x630)n である。この曲線は 0x630 で単調に増加するので、縦格子線と横格子線をそれぞれ1回ずつ横切る。ただし内部格子点を通る場合は、(1)と同じく縦・横の両方から除く。

内部の格子点数を N とする。縦格子線は629本、横格子線は5399本なので、求める個数は 629+53992N=60282N である。

内部格子点を数える。0<x<630 で整数 x をとり、x630=vw と既約分数で表す。すると 1v<ww630 の約数である。曲線上の y 座標は y=5400vnwn である。vw は互いに素なので、y が整数であるための条件は wn が 5400 を割り切る である。

素因数分解すると 5400=233352 である。 n=2 のとき、w25400 となる w30 の約数である。このとき可能な既約分数 v/w は、1/30,2/30,,29/30 を既約化して得られるものすべてであり、個数は29個である。したがって N=29 で、交わる格子辺の個数は 6028229=5970 である。 n=3 のとき、w35400 となる w6 の約数である。同様に、可能な既約分数は 1/6,2/6,,5/6 を既約化して得られる5個である。したがって N=5 で、交わる格子辺の個数は 602825=6018 である。 n4 のとき、wn5400 を満たす w>1 は存在しない。したがって内部格子点はなく、N=0 である。よって交わる格子辺の個数は 6028 である。

以上より、答えは{5970(n=2),6018(n=3),6028(n4)である。

別解

解法2

方針

単調曲線が横切る内部の縦格子線629本と横格子線5399本を先に数える。曲線上の内部格子点では格子辺と交わらないので2回ずつ差し引き、既約分母 w の条件 wn5400 から内部格子点数を分類する。

解答

(1)
原点と P(630,5400) の間にある内部格子点の個数はgcd(630,5400)1=901=89である。直線は内部の縦格子線629本、横格子線5399本をそれぞれ1回横切るが、内部格子点は格子辺の端点であって格子辺には含まれない。従ってその89点では縦・横の両方を除き、629+5399289=5850個である。

(2)
曲線はy=5400(x630)nで、区間内で狭義増加する。内部格子点数を Nn とすれば、同じ理由で交わる格子辺数は60282Nnである。

x/630=v/w を既約分数で表す。y が整数となる必要十分条件はwn5400である。5400=233352.n=2 では可能な分母は30の約数であり、区間 (0,1) の異なる既約分数は130,230,,2930を既約化して得られる29個である。従って N2=29

n=3 では可能な分母は6の約数で、同様に N3=5 である。n4 では w>1 は存在せず、Nn=0 となる。よって答えは{5970(n=2),6018(n=3),6028(n4).

総評

格子辺の定義を正確に扱う数え上げ問題で、想定時間は28分程度。曲線や直線が格子点を通ると、その点は格子辺の端点であって格子辺そのものには含まれないため、縦・横の両方から除く必要がある。(2)では、y=5400(x/630)n として内部格子点だけを分類するのが中心で、既約分母 w に対して wn5400 が必要十分になる理由を丁寧に書きたい。n=2,3,n4 で分母の候補が急に減る点がこの問題の山である。

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出典: 大阪大学 1998年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。