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大阪大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

nを1以上の整数とする.
n次の整式f(x)=a0xn+a1xn1+a2xn2++akxnk++an1x+anとその導関数f(x)の間に
nf(x)=(x+p)f(x)という関係があるとする.
ただし,pは定数である.
このとき,f(x)=a0(x+p)nであることを示せ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

微分数と式 恒等式比較、展開・因数分解、一意性証明

方針

まず a0(x+p)n が同じ微分関係式を満たすことを確認し、差 F(x)=f(x)a0(x+p)n を作る。差は次数が n1 以下で、しかも同じ関係式 nF=(x+p)F を満たす。もし F が零でなければ、最高次項を比較すると次数が n でなければならず、次数 n1 以下であることと矛盾する。

解答

g(x)=a0(x+p)n とおく。このとき g(x)=na0(x+p)n1 であるから (x+p)g(x)=na0(x+p)n=ng(x) である。したがって g(x) も、与えられた関係式と同じ ng(x)=(x+p)g(x) を満たす。

そこで F(x)=f(x)g(x) とおく。fg はどちらも最高次係数が a0n 次式であるから、F は零多項式であるか、次数が n1 以下の多項式である。また、fg の関係式を引き算すると nF(x)=(x+p)F(x) が成り立つ。

ここで F が零多項式でないと仮定する。F の次数を m とし、最高次の項を cxm(c0) とする。すると左辺 nF(x) の最高次の項は ncxm である。一方、F(x) の最高次の項は mcxm1 なので、右辺 (x+p)F(x) の最高次の項は mcxm である。

両辺が等しいためには、最高次の係数が等しくなければならない。すなわち nc=mc である。c0 より n=m を得る。しかし F の次数は n1 以下だったので、これは矛盾である。したがって F は零多項式である。

よって f(x)=g(x)=a0(x+p)n である。

別解

解法2

方針

整式の係数を直接比較する。xnk の係数から kak=p(nk+1)ak1 を得て、数学的帰納法で ak=nCka0pk と決定し、二項展開へ戻す。

解答

f(x)=a0xn+a1xn1++akxnk++anとする。関係式nf(x)=(x+p)f(x)xnk の係数を比較する。

左辺の係数は nak である。右辺では xf(x) から (nk)akpf(x) から p(nk+1)ak1 が現れる。従ってnak=(nk)ak+p(nk+1)ak1,すなわちkak=p(nk+1)ak1(k=1,,n).これを順に用いるとak=n(n1)(nk+1)k(k1)1a0pk=nCka0pk.従って二項展開によりf(x)=a0{xn+nC1pxn1+nCkpkxnk+pn}=a0(x+p)n.これで係数がすべて一意に決まり、所要の形が示された。

総評

微分関係式を整式の次数で処理する証明問題で、想定時間は12分程度。a0(x+p)n という候補を先に作り、差を取って最高次項の矛盾に持ち込むのが最短である。商 f/(x+p)n を微分する方法も考えられるが、多項式としての議論では最高次項比較の方が端点や x=p の扱いを気にせずに済む。証明では a00F の次数が n1 以下になる理由を明確にしておきたい。

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出典: 大阪大学 1998年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。