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大阪大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

xy平面上の点(a,b)は,abがともに有理数のときに有理点と呼ばれる.
xy平面において,3つの頂点がすべて有理点である正三角形は存在しないことを示せ.
ただし,必要ならば3が無理数であることは証明なしで使ってよい.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安10

図形と方程式論証・証明 背理法、座標設定回転・拡大

方針

3頂点が有理点である正三角形があると仮定し、2頂点 A,B の座標を有理数で置く。正三角形の第三頂点は、AB の中点から AB に垂直な向きへ進んだ点であり、その座標には 3(x2x1) または 3(y2y1) が現れる。AB なのでどちらかの差は非零有理数であり、第三頂点も有理点なら 3 が有理数になって矛盾する。

解答

3つの頂点がすべて有理点である正三角形が存在すると仮定する。そのうち2点を A(x1,y1),B(x2,y2) とする。ここで x1,y1,x2,y2 はすべて有理数であり、AB である。

線分 AB の中点は (x1+x22,y1+y22) である。また、ベクトル (x2x1,y2y1)90 回転したベクトルは ((y2y1),x2x1) である。正三角形の第三の頂点は、中点からこの垂直方向へ 3/2 倍だけ進んだ点なので、2通りの候補は(x1+x2232(y2y1),y1+y22±32(x2x1))である。

この第三の頂点も有理点であるとする。AB なので、x2x1, y2y1 の少なくとも一方は0でない有理数である。

もし y2y10 なら、第三頂点の x 座標が有理数であることから 32(y2y1) が有理数になる。y2y1 は非零有理数なので、これは 3 が有理数であることを意味し、矛盾である。

もし y2y1=0 なら、必ず x2x10 である。この場合は第三頂点の y 座標が有理数であることから 32(x2x1) が有理数になり、やはり 3 が有理数となって矛盾する。

したがって、3つの頂点がすべて有理点である正三角形は存在しない。

別解

解法2

方針

有理点を頂点にもつ三角形の面積は、座標による面積公式から有理数である。一方、正三角形では「一辺の長さの2乗」は正の有理数であり、面積はその 3/4 倍である。この2通りの面積表示を比較して矛盾を導く。

解答

3頂点がすべて有理点である正三角形 ABC が存在すると仮定する。

有理点を頂点にもつ三角形の面積は有理数である。実際、A(x1,y1),B(x2,y2),C(x3,y3)とすると、その面積 SS=12(x2x1)(y3y1)(x3x1)(y2y1)であり、右辺は有理数である。

一方、正三角形の一辺を AB とするとAB2=(x2x1)2+(y2y1)2は正の有理数である。正三角形の面積公式よりS=34AB2.もし S が有理数なら3=4SAB2も有理数になってしまう。これは 3 が無理数であることに反する。

従って、3頂点がすべて有理点である正三角形は存在しない。

総評

難度5、計算量4。有理点の条件と正三角形の 60 回転が相性の悪いことを示す証明問題である。想定時間は10分程度。座標で第三頂点を出す方法では、x2x1y2y1 のどちらかが非零であることを場合分けして、3 が有理数になってしまう点を明確にする。面積による別解は短く、座標が有理なら面積が有理、正三角形なら面積が無理、という対比が見やすい。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。

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出典: 大阪大学 1999年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。