方針
3頂点が有理点である正三角形があると仮定し、2頂点 の座標を有理数で置く。正三角形の第三頂点は、 の中点から に垂直な向きへ進んだ点であり、その座標には または が現れる。 なのでどちらかの差は非零有理数であり、第三頂点も有理点なら が有理数になって矛盾する。
解答
3つの頂点がすべて有理点である正三角形が存在すると仮定する。そのうち2点を とする。ここで はすべて有理数であり、 である。
線分 の中点は である。また、ベクトル を 回転したベクトルは である。正三角形の第三の頂点は、中点からこの垂直方向へ 倍だけ進んだ点なので、2通りの候補はである。
この第三の頂点も有理点であるとする。 なので、, の少なくとも一方は0でない有理数である。
もし なら、第三頂点の 座標が有理数であることから が有理数になる。 は非零有理数なので、これは が有理数であることを意味し、矛盾である。
もし なら、必ず である。この場合は第三頂点の 座標が有理数であることから が有理数になり、やはり が有理数となって矛盾する。
したがって、3つの頂点がすべて有理点である正三角形は存在しない。
別解
解法2
方針
有理点を頂点にもつ三角形の面積は、座標による面積公式から有理数である。一方、正三角形では「一辺の長さの2乗」は正の有理数であり、面積はその 倍である。この2通りの面積表示を比較して矛盾を導く。
解答
3頂点がすべて有理点である正三角形 が存在すると仮定する。
有理点を頂点にもつ三角形の面積は有理数である。実際、とすると、その面積 はであり、右辺は有理数である。
一方、正三角形の一辺を とするとは正の有理数である。正三角形の面積公式よりもし が有理数ならも有理数になってしまう。これは が無理数であることに反する。
従って、3頂点がすべて有理点である正三角形は存在しない。
総評
難度5、計算量4。有理点の条件と正三角形の 回転が相性の悪いことを示す証明問題である。想定時間は10分程度。座標で第三頂点を出す方法では、 と のどちらかが非零であることを場合分けして、 が有理数になってしまう点を明確にする。面積による別解は短く、座標が有理なら面積が有理、正三角形なら面積が無理、という対比が見やすい。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。