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大阪大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

楕円x2a2+y2b2=1 (a>b>0)
双曲線x2a2y2c2=1 (c>0)を考える.
P(s,t) (s>0,t>0)を双曲線上にとり,
原点Oと点Pを結ぶ線分と楕円の交点をQとする.
Pにおける双曲線の接線がx軸と交わる点をA
Qにおける楕円の接線がx軸と交わる点をBとする.

Pを直線PAと直線QBが直交するようにとるとき,以下の問に答えよ.

(1)Pの座標を求めよ.

(2)ABはそれぞれ楕円,双曲線の焦点であることを示せ.

(3) k0<k<1を満たす定数とする.
abca2+c2=1a2b2=k2を満たしながら変化するとき,
直線PAと直線QBの交点Ry座標が最大となるようなabcを求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安35

図形と方程式微分 接線・法線文字消去、範囲評価

方針

双曲線と楕円の接線を標準形から書き、まずx軸との交点A,Bを求める。点QOP上にあるのでQ=λPと置くと、楕円の接線の式と傾きが整理しやすい。直交条件は、直線PAの傾きとQBの傾きの積が1であることから得る。これを双曲線の条件と連立してPを決める。(2)では得られたA,Bの座標を焦点の公式と照合する。(3)では条件からA=(k,0), B=(1,0)となることを使い、交点Ry座標をbc(1k)/(b2+c2)に直して、b2+c2一定のもとでbcを最大にする。

解答

(1)
Qは線分OP上にあるので Q=(λs,λt) とおく。ただしλ>0である。

双曲線 x2a2y2c2=1 の点P(s,t)における接線は sxa2tyc2=1 である。これがx軸と交わる点は、y=0として A=(a2s,0) である。この接線、すなわち直線PAの傾きは sc2a2t である。

一方、楕円 x2a2+y2b2=1 の点Q=(λs,λt)における接線は λsxa2+λtyb2=1 である。したがって B=(a2λs,0) であり、直線QBの傾きは sb2a2t である。

直線PAQBが直交するから、2つの傾きの積は1である。よって sc2a2t(sb2a2t)=1 すなわち s2b2c2=a4t2 である。s,t,b,c>0なので t=sbca2 である。

またPは双曲線上にあるから s2a2t2c2=1 である。ここにt=sbc/a2を代入すると s2a2s2b2a4=1 であり s2(a2b2)=a4 となる。s>0より s=a2a2b2 である。したがって t=bca2b2 である。ゆえに P=(a2a2b2,bca2b2) である。

(2)
(1)より A=(a2s,0)=(a2b2,0) である。楕円x2/a2+y2/b2=1の焦点は (±a2b2,0) であるから、Aは楕円の右焦点である。

次にBを求める。Q=λPが楕円上にあるので λ2(s2a2+t2b2)=1 である。(1)のs,tを代入するとs2a2+t2b2=a2a2b2+c2a2b2=a2+c2a2b2である。よって λ=a2b2a2+c2 である。したがって B=(a2λs,0)=(a2+c2,0) である。双曲線x2/a2y2/c2=1の焦点は (±a2+c2,0) であるから、Bは双曲線の右焦点である。

(3)
条件 a2b2=k2,a2+c2=1 より、(2)の結果から A=(k,0),B=(1,0) である。また(1)より P=(a2k,bck) である。さらにλ=kなので Q=(a2,bc) である。

直線PAの傾きは bc/ka2/kk=bca2k2=cb である。直線QBの傾きは bca21=bc である。交点Ry座標を求めるため、直線PA, QBy=cb(xk),y=bc(x1) と書く。これらを連立すると cb(xk)=bc(x1) より c2(xk)=b2(x1) であり x=b2+c2kb2+c2 である。したがってy=cb(b2+c2kb2+c2k)=bc(1k)b2+c2である。

ここで b2+c2=(a2k2)+(1a2)=1k2 は一定である。また0<k<1なので1k>0である。したがってRy座標を最大にするには、b2+c2一定のもとでbcを最大にすればよい。 (bc)20 より 2bcb2+c2 であり、等号はb=cのときである。よって最大となるのは b2=c2=1k22 のときである。b,c>0だから b=c=1k22 であり、さらに a2=b2+k2=1+k22 である。したがって求める値は a=1+k22,b=c=1k22 である。

別解

解法2

方針

双曲線上の点を P=(asecϕ,ctanϕ) と置く。2接線の傾きの積を sinϕ だけの式にすると、直交条件から sinϕ=b/a が直ちに得られる。残りは焦点距離と相加相乗平均で処理する。

解答

(1)
PP=(asecϕ,ctanϕ),0<ϕ<π2と表す。双曲線の接線 PA の傾きはsc2a2t=casinϕ,楕円の接線 QB の傾きはsb2a2t=b2acsinϕ.積が 1 だからsin2ϕ=b2a2.従って sinϕ=b/a であり、cosϕ=a2b2a.ゆえにP=(a2a2b2,bca2b2).(2)
双曲線接線の x 切片はA=(a2s,0)=(a2b2,0),すなわち楕円の右焦点である。

Q=λP とすると、楕円の式からλ=a2b2a2+c2.従って楕円接線の x 切片はB=(a2λs,0)=(a2+c2,0),すなわち双曲線の右焦点である。

(3)
条件からA=(k,0),B=(1,0),またP=(a2k,bck),Q=(a2,bc).2接線はy=cb(xk),y=bc(x1)だから、交点Rの y 座標はyR=bc(1k)b2+c2.ここでb2+c2=1k2は一定である。相加相乗平均より bcb=c のとき最大となる。従ってa=1+k22,b=c=1k22.

総評

難度8、計算量8。接線の傾き、焦点、パラメータ最大化が連鎖する長問である。双曲線の三角関数表示により直交条件を簡潔にし、最後は b2+c2=1k2 を固定して等号条件まで確定した。

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出典: 大阪大学 1997年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。