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大阪大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

座標空間において,

平面z=2上にある半径2,中心(0,0,2)の円をC1

平面z=2上にある半径2,中心(0,0,2)の円をC2

とする.
また,空間内の点P(x,y,z)に対し,
C1上を動く点QPの距離の最小値をm
C2上を動く点RPの距離の最大値をMとする.
次の問いに答えよ.

(1) r=x2+y2とおくとき,mMrおよびzで表せ.

(2) M26mという条件を満たす点Pの範囲をHとする.
図形Hの体積を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

図形と方程式積分 座標設定軌跡体積計算

方針

P の水平距離 r=x2+y2 と高さ z だけで、円までの最短・最長距離が決まる。C1 への最短は水平距離 r2C2 への最長は水平距離 r+2 を使う。(2)では rz 平面で焦点 (2,2)(2,2) をもつ楕円条件に変換し、r0 の半楕円を z 軸まわりに回転する体積として 2πrdrdz を計算する。

解答

(1)
P(x,y,z)xy 平面への射影と原点との距離を r=x2+y2 とする。円 C1 は高さ z=2 の平面上で、中心の水平位置は原点、半径は 2 である。したがって、水平面内で P の射影から C1 までの最短距離は r2 である。高さの差は z2 なので m=(r2)2+(z2)2 である。

同様に、円 C2 は高さ z=2 にある。C2 上の点と P の距離を最大にするには、水平面内で P の射影と反対側の円周上の点を取ればよいので、水平距離は r+2 である。高さの差は z+2 だから M=(r+2)2+(z+2)2 である。

(2) rz 平面で点 P(r,z) と見る。ただし r0 である。(1)より m=PB,M=PA と書ける。ただし A=(2,2),B=(2,2) である。この2点間の距離は AB=4 である。

条件は M26m である。もし M26 なら、条件は M26m、すなわち Mm26 を意味する。しかし三角形の辺の関係より MmAB=4 であり、26>4 なので不可能である。

したがって必ず M<26 であり、このとき条件は 26Mm すなわち M+m26 である。これは、焦点 A,B、長半径 6 の楕円の内部および周上を表す。焦点間距離の半分は 2 なので、短半径は (6)222=2 である。

座標を u=r+z2,v=rz2 とおくと、焦点は (u,v)=(2,0),(2,0) となる。したがって楕円は u26+v221 で表される。また r=u+v2 であるから、実際に回転させる断面はこの楕円のうち u+v0 の部分である。

体積は、rz 平面の断面を z 軸のまわりに回転して V=2πDrdrdz で求められる。ここで D は上の半楕円領域である。変換 (u,v)(r,z) の面積倍率は 1 である。さらに u=6X,v=2Y とおくと、X2+Y21 であり、面積倍率は 23 である。また r=3X+Y で、条件は 3X+Y0 となる。

単位円を、直線 3X+Y=0 に垂直な軸で見る。W=(3X+Y)/2 とおけば、半円は W0 であり、r=2W である。単位半円においてW0WdXdY=π/2π/201ρcosϕρdρdϕ=23である。したがってDrdrdz=23W02WdXdY=2343=833である。ゆえに体積は V=2π833=163π3 である。

別解

解法2

方針

距離条件を焦点距離の和が一定以下となる楕円へ直す。楕円を単位円へ変換した後、r0 の半円を回転軸に垂直な座標 W で縦に切り、円筒殻の積分を1変数積分として計算する。

解答

(1)
Pxy 平面への射影と原点との距離を r とする。C1 までの水平最短距離は r2、高さの差は z2 だからm=(r2)2+(z2)2.C2 までの水平最大距離は r+2、高さの差は z+2 だからM=(r+2)2+(z+2)2.(2)
rz 平面でA=(2,2),B=(2,2)とすれば M=PA, m=PB, AB=4 である。

M26 なら条件から Mm26 となるが、MmAB=4<26に反する。従って条件はM+m26と同値である。これは焦点 A,B、長半径 6、短半径 2 の楕円内部である。u=r+z2,v=rz2とするとu26+v221.さらに u=6X, v=2Y と置けば単位円になり、面積倍率は 23、かつr=3X+Y.単位円内でW=3X+Y2を一方の直交座標とすれば r=2W、条件 r0W0 である。もう一方の座標を T とする。

従ってDrdrdz=23011W21W22WdTdW=8301W1W2dW=833.この断面を z 軸の周りに回すからV=2πDrdrdz=163π3.

総評

距離条件を楕円に読み替え、その半楕円を回転する空間図形問題で、想定時間は35分程度。(1)では水平距離と高さの差に分けると、最短距離 m と最長距離 M が自然に出る。(2)の核心は、M26m の絶対値を外すとき、M26 の場合が三角形の不等式で不可能になることを示す点である。楕円化した後は r0 の半分だけを回転するので、断面全体を回してしまわないよう注意したい。

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出典: 大阪大学 1998年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。