方針
複素数 p+qi をそのまま代入し、実部と虚部を比較する。虚部は q(3p2−q2+p)=0 となり、条件 q=0 から q2=3p2+p が得られる。これを実部の式へ代入して p だけの3次方程式にし、因数分解で実数解を決める。係数が実数であることを使い、共役解と解と係数の関係から解く別解も自然に成立する。
解答
p+qi が方程式 x3+px+10=0 の解であるから (p+qi)3+p(p+qi)+10=0 である。
まず (p+qi)3=p3+3p2qi+3p(qi)2+(qi)3=p3−3pq2+(3p2q−q3)i である。また p(p+qi)=p2+pqi だから、実部と虚部を比較して p3−3pq2+p2+10=0 および 3p2q−q3+pq=0 を得る。
虚部の式は q(3p2−q2+p)=0 である。条件より q=0 なので q2=3p2+p である。これを実部の式へ代入すると p3−3p(3p2+p)+p2+10=0 となる。整理して −8p3−2p2+10=0 すなわち 4p3+p2−5=0 である。左辺は 4p3+p2−5=(p−1)(4p2+5p+5) と因数分解できる。2次式の判別式は 52−4⋅4⋅5=−55<0 であるから、実数解は p=1 だけである。したがって q2=3⋅12+1=4 より q=2,q=−2 である。よって求める値は (p,q)=(1,2),(1,−2) である。
別解
解法2(共役根と解と係数の関係)
方針
係数が実数であることから共役根 p−qi を同時に取り、
残る実根を r とする。解と係数の関係を3本使って
r と q2 を消去し、p の方程式へ帰着する。
解答
方程式の係数は実数なので、p+qi が根なら p−qi も根である。
残る根を r とする。3次方程式x3+px+10=0の解と係数の関係より(p+qi)+(p−qi)+r=0,従ってr=−2p.2根ずつの積の和は p だから(p+qi)(p−qi)+r(p+qi)+r(p−qi)=p.整理するとp2+q2+2pr=p.r=−2p を代入してq2=3p2+p.また3根の積は −10 なので(p2+q2)r=−10.再び r=−2p を代入するとp(p2+q2)=5.q2=3p2+p を用いて4p3+p2−5=0,すなわち(p−1)(4p2+5p+5)=0.二次式の判別式は −55<0 だから、実数 p は p=1 に限る。
すると q2=4 であり、(p,q)=(1,2), (1,−2)である。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安は12分。変数名と係数名がどちらも p を含むため、代入後の p(p+qi) の実部が p2 になることを丁寧に扱う必要がある。虚部の式で q=0 を使う点が分岐点で、ここを落とすと余分な場合を拾ってしまう。実係数方程式の共役解を利用する別解は、計算量を少し減らせるが、解と係数の関係の符号を間違えないことが大切である。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。
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出典: 大阪大学 2000年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。