方針
(1) 二次形式が漸化式で不変であることを直接計算する。(2) 2an+bn が等比数列になることを見抜く。(3)(4) 不変式から bn=(cn+cn−1)/2 と表し、cn の大小で単調性を判定する。
解答
(1) 漸化式を代入するとbn+12−2an+12=(4an+3bn)2−2(3an+2bn)2=bn2−2an2.初項ではb12−2a12=9−8=1なので、数学的帰納法によりbn2−2an2=1がすべての n で成り立つ。
(2) cn=2an+bnとおくとcn+1=2(3an+2bn)+(4an+3bn)=(3+22)cn.またc1=3−22=(3+22)−1である。従ってcn=(3+22)n−2.(3) (1)より(2an+bn)(bn−2an)=1.すなわちbn−2an=cn−1なのでbn=21(cn+cn−1).3+22>1 であり、cn=1 となるのは n=2 である。正数 t に対してt+t1≧2で、等号は t=1 のときだけだから、bn が最小となる番号はn=2である。
(4) m=2 である。n≧2 では cn≧1 かつ cn+1>cn である。関数h(t)=21(t+t1)は t≧1 で増加するからbn+1=h(cn+1)≧h(cn)=bn.従って n≧m なら bn+1≧bn である。
別解
解法2(2つの固有方向による明示式)
方針
行列の2つの固有方向に対応して
cn=bn+2an、dn=bn−2an を同時に導入する。
両方が等比数列となるため、全小問を明示式から一括して処理できる。
解答
λ=3+22とおく。このとき λ−1=3−22 である。
(1) cn=bn+2an,dn=bn−2anとおく。漸化式からcn+1=λcn,dn+1=λ−1dn.初項はc1=λ−1,d1=λなのでcn=λn−2,dn=λ2−n.特にcndn=bn2−2an2=1,これで(1)が示された。
(2)
上で得た明示式からcn=(3+22)n−2である。
(3) bn=2cn+dn=2λn−2+λ2−n.正数 t について t+t−1≧2 であり、等号は t=1 のときに限る。
λ>1 だから λn−2=1 は n=2 のときだけである。
従って bn が最小となる番号はm=2.(4)
k=n−2≧0 とおくと2(bn+1−bn)=λk+1+λ−k−1−λk−λ−k=(λ−1)(λk−λ−k−1)≧0.従って n≧m なら bn+1≧bn である。
総評
難度6、計算量5。不変量と固有方向に相当する量 (cn) の二つを組み合わせると、閉じた形と最小値・単調性が同時に得られる。 答案では各小問の結論に至る根拠と、使用する範囲・符号条件を明記した。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。
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出典: 大阪大学 2000年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。