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大阪大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

数列{an}において,
各項anan0をみたし,
かつn=1an=12が成り立つとする.
さらに各nに対しbn=(1a1)(1a2)(1an)cn=1(a1+a2++an)とおく.

(1) すべてのnに対し不等式bncnが成り立つことを,数学的帰納法で示せ.

(2) あるnについてbn+1=cn+1が成り立てば,bn=cnとなることを示せ.

(3) b3=12となるとき,c3=12であることを示せ.
またb3=12となる数列{an}は全部で何種類あるかを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

数列論証・証明 数学的帰納法不等式評価、場合分け

方針

全項が非負で総和が 1/2 なので、各 an0an1/2 であり、1an>0 が使える。(1)は bn+1=bn(1an+1)cn+1=cnan+1 を用いて帰納法を組む。(2)は(1)の証明中の2つの不等式が等号でなければならないことを逆にたどる。(3)は b3=1/2 と(1)、および全体の和から c3=1/2 を挟み撃ちで出し、a1+a2+a3=1/2(1a1)(1a2)(1a3)=1/2 を展開して、最初の3項のうち1つだけが 1/2 になることを示す。

解答

はじめに、an0 かつ n=1an=1/2 であるから、各 n について 0an12 である。したがって 1an>0 である。また部分和は 1/2 以下なので 12cn1 である。

(1) n=1 のとき b1=1a1=c1 であるから、b1c1 は成り立つ。

ある nbncn が成り立つと仮定する。このとき bn+1=bn(1an+1) であり、1an+1>0 だから bn+1cn(1an+1) である。一方 cn+1=1(a1+a2++an+an+1)=cnan+1 なので cn(1an+1)cn+1=cncnan+1(cnan+1) =an+1(1cn)0 である。よって cn(1an+1)cn+1 であり、したがって bn+1cn+1 である。数学的帰納法により、すべての n について bncn が成り立つ。

(2) bn+1=cn+1 とする。(1)の証明より常に bn+1=bn(1an+1)cn(1an+1)cn+1 である。両端が等しいので、中央の不等式もすべて等号でなければならない。特に bn(1an+1)=cn(1an+1) である。1an+1>0 だから、両辺を割って bn=cn を得る。

(3) b3=1/2 とする。(1)より 12=b3c3 である。一方、an0 かつ全体の和が 1/2 なので a1+a2+a312 である。したがって c3=1(a1+a2+a3)12 である。以上から c3=12 である。

よって a1+a2+a3=12 かつ (1a1)(1a2)(1a3)=12 である。後者を展開すると 1(a1+a2+a3)+(a1a2+a2a3+a3a1)a1a2a3=12 である。a1+a2+a3=1/2 を代入すると a1a2+a2a3+a3a1=a1a2a3 を得る。

ここで 0ai1/2 である。もし a1,a2,a3 のうち2つ以上が正なら、たとえば正の2項の積が左辺に現れ、右辺 a1a2a3 はそれに残りの1項をさらに掛けたもの以下である。残りの1項は高々 1/2 なので、左辺が右辺に等しくなることはできない。したがって、a1,a2,a3 のうち少なくとも2つは0である。

さらに和が 1/2 であるから、残りの1つは 1/2 である。よって(a1,a2,a3)=(12,0,0),(0,12,0),(0,0,12)の3通りである。これらの場合、すでに最初の3項の和が 1/2 なので、n4 ではすべて an=0 でなければならない。

したがって b3=1/2 となる数列は 3 種類である。

別解

解法2(差の漸化式と等号条件を追う)

方針

dn=bncn の漸化式を非負な2項の和として作り、帰納法と等号条件を同時に処理する。(3)では d2,d3 を具体化して3通りを分類する。

解答

全体の和が 1/2 だから0an12,12cn1.(1)

dn=bncn とおくと d1=0 であり、dn+1=(1an+1)dn+an+1(1cn)となる。右辺の係数と第2項は非負なので、帰納法からbncnがすべての n で成り立つ。

(2)

bn+1=cn+1 なら、上の非負な2項の和が0になる。特に(1an+1)dn=0.1an+1>0 より dn=0、従ってbn=cn.(3)12=b3c312より c3=1/2、従って d3=0 である。またd2=a1a2,d3=(1a3)a1a2+a3(a1+a2).非負な各項が0になるのでa1a2=0,a3(a1+a2)=0.さらに a1+a2+a3=1/2 だから(a1,a2,a3)=(12,0,0),(0,12,0),(0,0,12)の3通りである。いずれも n4 では an=0 となるので、求める数列は 3 種類である。

総評

bn と残量 cn の不等式を、帰納法と等号条件で追う問題。難度は高め、計算量は中程度で、目安時間は24〜28分。差 dn=bncn の漸化式を非負項の和にすると、(1)の帰納法、(2)の逆向き、(3)の3通りの分類を一つの仕組みで処理できる。

冊子PDFで見る阪大の数列の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2001年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。