方針
円周上の点を偏角で表す。弦長の積を積和公式で ∣sin(θ−φ)∣ に変え、x>0 の条件から二点の偏角を確定する。最後に点 R までの弦長平方の和を余弦で整理する。
解答
点 P の偏角を θ とする。点 Q は第1象限にありa2(cos2φ−sin2φ)=1だからcos2φ=a21,0<φ<4π.(1) 円の弦長公式よりQP=2asin2θ−φ,また Q′ の偏角は φ+π なのでQ′P=2acos2θ−φ.従ってQPQ′P=2a2∣sin(θ−φ)∣.これが a2 に等しいから∣sin(θ−φ)∣=21.さらに P,P′ はともに x>0 にあり、0<φ<π/4 である。従って条件を満たす二点の偏角はθ=φ+6π,θ=φ−6πである。よって、どちらの点についても∠POQ=6π.(2) P,P′ の偏角をそれぞれ φ+π/6, φ−π/6 とする。R=(a,0) だからPR2=2a2(1−cosθ)である。従ってOR2PR2+P′R2=4−2{cos(φ+6π)+cos(φ−6π)}=4−23cosφ.a→∞ のとき cos2φ=1/a2→0 かつ 0<φ<π/4 よりφ→4π.従って求める極限は4−23⋅22=4−6.
別解
解法2(位置ベクトルと内積)
方針
弦長の積を三角関数でなく内積で表す。
点 P の位置ベクトルと OQ の内積から
中心角の候補を決め、右半円条件で余分な候補を除く。
(2)も位置ベクトルの距離平方を足し合わせて求める。
解答
位置ベクトルを p=OP、q=OQ とする。Q′=−Q であり、∣p∣=∣q∣=a.従ってQP2Q′P2=∣p−q∣2=2a2−2p⋅q,=∣p+q∣2=2a2+2p⋅q.積の条件を2乗して4{a4−(p⋅q)2}=a4,よって∣p⋅q∣=23a2.(1)
θ=∠POQ とすれば∣cosθ∣=23.したがって偏角差は ±π/6 または ±5π/6 である。
Q は第1象限にあり、P,P′ は右半円上にあるため、
±5π/6 の候補は右半円から外れる。従って2点の偏角はφ+6π,φ−6πであり、∠POQ=6π.(2)
R=(a,0) とし、r=OR とする。PR2=∣p−r∣2=2a2−2p⋅r.2点 P,P′ について足すとOR2PR2+P′R2=4−23cosφ.一方、Q∈D よりcos2φ=a21,0<φ<4π.a→∞ で φ→π/4 だから、求める極限は4−23cos4π=4−6.
総評
難度7、計算量6。弦長の積からは偏角差の候補が複数出るため、二点がともに右半円上にある条件で不要な候補を確実に除く。 答案では各小問の結論に至る根拠と、使用する範囲・符号条件を明記した。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。
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出典: 大阪大学 2000年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。