方針
(1) は OP⊥AB を内積で表す。(2)では P が二つの辺方向の非負結合になる条件、すなわち 0≦t≦1 を使う。(3)は ∠OPA=90∘ から軌跡が直径 OA の円弧になることを利用し、極座標で面積を積分する。
解答
(1) a=OA,b=OB とおくと、∣a∣=1,∣b∣=b,a⋅b=bcosθ である。P は垂線の足だから{ta+(1−t)b}⋅(a−b)=0.これを解いてt=b2−2bcosθ+1b(b−cosθ).(2) 分母は AB2>0 である。P が二半直線の間にある条件は 0≦t≦1 だからb−cosθ≧0,1−bcosθ≧0.よってcosθ≦b≦cosθ1.(3) OP⊥AP より、P は直径 OA の円上にある。(2)の両端では、P はそれぞれ l2,l1 上にあるので、求める軌跡はその円の両半直線間の円弧である。l1 からの偏角を ϕ とし OP=ρ とすると、直径 OA の円の方程式はρ=cosϕ(0≦ϕ≦θ).したがって囲まれる面積はS=21∫0θρ2dϕ=21∫0θcos2ϕdϕ=4θ+8sin2θ.
別解
解法2(円弧と円弧部分の面積で求める)
方針
座標を置いて垂線条件から t を求める。軌跡は直径 OA の円弧であり、囲まれる面積を三角形と半径 21、中心角 2θ の円弧部分に分ける。
解答
(1) O=(0,0),A=(1,0),B=(bcosθ,bsinθ)とおく。p=OP=tOA+(1−t)OB と書き、p⊥AB を使うと{ta+(1−t)b}⋅(b−a)=0.整理してt=b2−2bcosθ+1b(b−cosθ).(2)
分母は AB2>0 である。P が2本の半直線にはさまれる条件は 0≦t≦1 だからb≧cosθ,bcosθ≦1.よってcosθ≦b≦cosθ1.(3)
∠OPA=90∘ なので、P は直径 OA の円上にある。b=cosθ では P=B でOP=cosθ,b=(cosθ)−1 では P=A である。したがって軌跡はこの2点を結ぶ円弧である。
円の中心を C とすると半径は 21、中心角 ∠ACB は 2θ である。求める領域は三角形 OAB と弦 AB に対する円弧部分の和である。したがってS=21cosθsinθ{21(21)2(2θ)−21(21)2sin2θ}=4θ+8sin2θ.
総評
難度5、計算量5。想定時間は20分程度。(2)ではtの分母がABの長さの二乗で正であることを確認してから符号を読む。(3)は座標を消去するより、直角条件から直径OAの円を見抜き、極方程式 ρ=cosϕ を使うと短い。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。
冊子PDFで見る阪大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2003年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。