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大阪大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

nを3以上の自然数とする.
1から2nまでの数字が書かれたカードがおのおの1枚ずつ,全部で2n枚ある.
数字mが書かれたカードを[m]で表すとする.
この2n枚のカードを横一列に並べる.

このとき,[m]が極大であるとは,その両端のカードの数字がmより小さいことをいう.
ただし,[m]が列の左端にあるときには,その右隣のカードの数字がmより小さいことをいい,
[m]が列の右端にあるときには,その左隣のカードの数字がmより小さいことをいう.

(1) [2n]のみが極大である並べ方は何通りか.

(2) [n][2n]のみが極大である並べ方のうち,
これら2枚にはさまれたカードの数字の中で最小のものがkとなる並べ方は何通りか.
nkを用いて表せ.

(3) [n][2n]のみが極大であるカードの並べ方の総数をP(n)とする.limnP(n)anが0でない数に収束するような定数aの値と,
そのときの極限値を求めよ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安30

場合の数数列 数え上げ状態分類和の計算極限計算

方針

極大が一つなら列はそこまで増加し、その後減少する。(2)では二つの極大の順序を固定し、間の最小値 k を谷として、各カードを左外側・下降部・上昇部・右外側のどこへ入れるか数える。各部で順序は単調性により一意に決まる。

解答

(1) [2n] の左側は増加順、右側は減少順でなければ、途中に別の極大が生じる。逆にこの形なら極大は [2n] だけである。残る 2n1 枚を左側に置くか右側に置くかを選べば順序は一意だから22n1通りである。

(2) まず左から [n],[2n] の順に現れる場合を数える。列は増加[n]減少[k]増加[2n]減少という形である。各カードをどの単調部分に入れるか決めれば、その部分での順序は一意に決まる。

1,,k1 は二つの極大の外側にしか置けず各2通り、k+1,,n1 は四つの部分のどこにも置けて各4通り、n+1,,2n1[k] から [2n] への上昇部か右外側の2通りである。したがって固定した順序では2k14nk12n1=23nk4通りである。二つの極大の順序は2通りあるので23nk3(1kn1)通りである。

(3) (2)を k=1,,n1 について足すとP(n)=k=1n123nk3=23n3(12(n1))=8n84n4.したがって0でない有限値に収束するのは a=8 のときでありlimnP(n)8n=18.

別解

解法2(谷の値を下げる漸化式)

方針

(1) は頂点の左右へカードを振り分ける。(2) では最小値が k の並べ方を Nn,k とし、まず k=n1 を数える。谷を1段下げるごとに、新しく中間値となるカードの配置先が2通りから4通りへ増えるので、個数が2倍になる。

解答

(1)
[2n] より左は増加、右は減少でなければ別の極大が生じる。残る 2n1 枚を左右のどちらへ置くかを選べば各側の順序は一意なので22n1通りである。

(2)
条件を満たし、2つの極大にはさまれた最小値が k である並べ方の数を Nn,k とする。

まず k=n1 とする。1,,n2 は2つの極大の外側の左右どちらか、n+1,,2n1[2n] に接続する2本の単調部分のどちらかへ置く。さらに [n][2n] の左右順が2通りある。各部分内の順序は一意だからNn,n1=2n22n12=22n2.谷の役割を [k+1] から [k] へ1段下げると、[k] がもっていた外側2部分の選択はなくなる一方、[k+1] は4つの単調部分へ置けるようになる。他のカードの選択肢は変わらないので、全体は 42=2 倍になる。したがってNn,k=2Nn,k+1.これを繰り返すとNn,k=2n1kNn,n1=23nk3.(3)P(n)=k=1n123nk3=23n3(12(n1))=8n84n4.したがって0でない有限値へ収束するのはa=8のときで、その極限はlimnP(n)8n=18である。

総評

難度8、計算量6。想定時間は30分程度。(2)では極大の間が「下降して最小kを通り、上昇する」形に一意化されることが核心である。値の範囲ごとに配置可能な部分が2,4,2個となる理由を明記し、最後に極大の左右順の2倍を忘れない。

第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。

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出典: 大阪大学 2003年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。