Evolton

大阪大学 2010年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

pは素数、rは正の整数とする。

(1) x1,x2,,xrについての式(x1+x2++xr)pを展開したときの単項式x1p1x2p2xrprの係数を求めよ。ここで、p1,p2,,prは0または正の整数でp1+p2++pr=pを満たすとする。

(2) x1,x2,,xrが正の整数のとき、(x1+x2++xr)p(x1p+x2p++xrp)pで割り切れることを示せ。

(3) rpで割り切れないとする。このとき、rp11pで割り切れることを示せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

場合の数整数論証・証明 数え上げ、素因数分解、約数・倍数、一般化

方針

(1)p 個の因子から各 xi を選ぶ位置の分け方を数える。(2)では純粋な xip 以外の項は少なくとも2種類の文字を含むため、各正の指数は p 未満である。その係数の分子 p! だけが素因数 p を含むことから整除性を示す。(3)は (2) に全ての xi=1 を代入し、rp が互いに素であることを使う。

解答

(1) p 個の因子から、x1 を選ぶ位置を p1 個、続いて x2 を選ぶ位置を p2 個というように選ぶ。したがって係数はpCp1pp1Cp2pp1pr1Cpr=p!p1!p2!pr!である。ただし 0!=1 とする。

(2) 展開に現れる項のうち、1種類の文字だけを選んでできる項は x1p,x2p,,xrp であり、いずれも係数は1である。したがって問題の差に残る各単項式は少なくとも2種類の文字を含む。

そのような項では、pi>0 である指数は全て p 未満である。(1)の係数p!p1!p2!pr!において、分子は素因数 p を1個含むが、各 pi! は素因数 p を含まない。係数は整数だから、この係数は p で割り切れる。よって差に含まれる全ての項の係数が p で割り切れ、差全体も p で割り切れる。

(3) (2)で x1=x2==xr=1 とするとrprp で割り切れる。すなわち r(rp11)p で割り切れる。p は素数で rp で割り切れないから、rp は互いに素である。したがって rp11p で割り切れる。

総評

難度6、計算量5。想定時間は18分程度。(1)の多項展開係数を組合せの積として説明し、階乗表示まで導くことが出発点。(2)では「純粋な p 乗項を引いた後に残る項は少なくとも2種類の文字を含む」ため、分母の階乗に p が現れないと明示するのが採点上重要である。(3)は有名定理の名前だけで済ませず、(2)に1を代入して同じ結論を問題内で証明する。最後に pr から積の一方を消去する根拠も書きたい。

冊子PDFで見る阪大の場合の数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2010年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。