方針
(1) は差を微分すると一つ前の段階の差になることを使って帰納する。積分列は各積分を粗く上から評価する。(2)では の二階微分の関係を作り、部分積分を2回行う。(3)は漸化式で整数性を伝え、(1)が正整数の部分和を一様に抑える矛盾を使う。
解答
(1) とおく。 である。 を仮定するとで、 で差は0だから である。よって帰納法により主張が成り立つ。
では積分の被積分関数は0と1の間にあるのでまた である。したがって に対して(2) 直接積分して, とおく。計算すると端点で は0だから、部分積分を2回行ってゆえに を代入して整理すると(3) と仮定する。、 は正の整数である。漸化式を用いるとしたがって帰納法によりすべての は整数である。また定義積分の被積分関数は で正だから である。
(1) で とすると、すべての についてしかし左辺は 個の正の整数の和なので 以上であり、 を十分大きくすれば右辺の固定値を超える。これは矛盾である。よって は無理数である。
別解
解法2(正整数列が0へ近づく矛盾)
方針
(1) は差を積分表示して正値性を示す。(2) は の2階微分恒等式を積分する。(3) は漸化式で正整数性を得た後、 によって を示し、正整数であることと矛盾させる。
解答
(1) とおく。 であり、だから、帰納法で を得る。また ではなのでよって(2)とおく。直接微分すると両辺へ を掛けて積分し、左辺を2回部分積分するとを代入すればまた直接積分から(3) と仮定し 、 とおくとよって帰納法で は整数であり、積分の正値性から正の整数である。
一方、より右辺を とするとだから、十分大きい ではこの比は 以下となり である。したがって十分大きい で となるが、正の整数にそのようなものはない。矛盾より は無理数である。
総評
難度9、計算量9。想定時間は40分以上の最難関候補。(2)の二階微分関係が計算の山場で、係数を へ戻す際の階乗も慎重に扱う。(3)は各 の整数性だけでなく積分から正であることを押さえ、正整数の部分和が一定値未満という矛盾に結ぶ。
第1解法は標準的な答案構成を詳しく示し、第2解法は異なる着眼または計算経路で同じ結論を独立に確認する。図は条件の役割と解法の流れを可視化した。積分・極限・総和は独立行に置き、分数は表示サイズで組版した。