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大阪大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系)理系数学 第3問

αを2次方程式x22x1=0の解とするとき,
(a+5α)(b+5cα)=1をみたす整数の組(a,b,c)をすべて求めよ.
ただし,必要ならば2が無理数であることは証明せずに用いてよい.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安17

整数数と式 式変形、実部虚部比較、計算整理

方針

αα2=2α+1を満たすので,積をA+Bαの形に整理する.α=1±2は無理数であるから,A+Bα=1なら有理部分とαの係数を比較できる.得られた2本の整数方程式からbを消去し,c(25a210a)=1に落とす.整数の積が1であることからc=1c=1の可能性を確認し,整数解だけを残す.

解答

αは方程式x22x1=0の解なので α2=2α+1 を満たす.またα=1±2であり,2は無理数だからαも無理数である.

与えられた式の左辺を展開すると(a+5α)(b+5cα)=ab+5acα+5bα+25cα2=ab+25c(2α+1)+(5ac+5b)α=ab+25c+(5ac+5b+50c)αである.これが1に等しいので ab+25c+(5ac+5b+50c)α=1 である.

ここで,もし X+Yα=0 を満たす有理数X,YがありYe0なら,α=X/Yとなってαが有理数になってしまう.したがってαの係数と定数部分を比較できる.よって ab+25c=1,5ac+5b+50c=0 であり,後者は ac+b+10c=0 すなわち b=c(a+10) である.

これをab+25c=1に代入すると a{c(a+10)}+25c=1 となる.よって c(25a210a)=1 である. a,cは整数なので,左辺は整数の積である.したがって (c, 25a210a)=(1,1)または(1,1) である.

まずc=1の場合,25a210a=1 だから a2+10a24=0 である.因数分解して (a2)(a+12)=0 となるので a=2, 12 である.このとき b=(a+10) だから,a=2 のとき b=12,a=12 のとき b=2 である.

次にc=1の場合,25a210a=1 だから a2+10a26=0 である.この判別式は 10241(26)=204 であり,204は平方数ではない.したがって整数解aは存在しない.

以上より,求める整数の組は (a,b,c)=(2,12,1), (12,2,1) である.

別解

解法2

方針

もう一つの根 α=2α を導入し,整数係数の式の共役を取る.a+5α のノルムが整数であることから a を先に決定し,逆元を共役で表して b,c を一度に求める.

解答

2次方程式のもう一つの根を α とする.解と係数の関係よりα+α=2,αα=1であり,α=2α である.与えられた等式の係数は整数なので,2 の符号を反転した共役の等式(a+5α)(b+5cα)=1も成り立つ.元の等式と共役の等式を掛けると(a2+10a25)(b2+10bc25c2)=1となる.2つの因子は整数だから,それぞれがともに 1,またはともに 1 である.

第1因子が 1 なら(a+5)2=51となり整数解はない.第1因子が 1 なら(a+5)2=49であるからa=2, 12を得る.

このとき(a+5α)(a+5α)=1なので1a+5α=(a+5α)である.与式からb+5cα=(a+5α)={a+5(2α)}=a10+5αとなる.α は無理数だから係数を比較してc=1,b=a10である.したがって(a,b,c)=(2,12,1),(12,2,1)である.

総評

難度5,計算量4,目安時間17分.α2=2α+1 で積を一次式へ落として係数比較する方法が素直である.第2解法では共役とノルムを使い,(a+5)2=49 から a を先に決定する.どちらも c=1 の候補を根拠なく捨てず,整数解がないことを判別式またはノルムで確認する必要がある.

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出典: 大阪大学 2009年度 前期 理系 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。