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大阪大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系)理系数学 第2問

行列A=12(cosπ3sinπ3sinπ3cosπ3)
の表す1次変換をfとする.
P(163,16)をとり,
P1=f(P),Pn+1=f(Pn)(n=1,2,3,)とする.
正の整数kに対して,次の条件をみたす領域をDkとする.x<0,y<0,3x+y2kこのときDkに含まれるPnの個数をkで表せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

行列三角関数 回転・拡大、場合分け、範囲評価

方針

行列は原点中心に角π/3だけ回転し,長さを1/2倍する変換である.最初の点Pを極座標で表し,Pn=fn(P)の距離と偏角を求める.領域Dkのうちx<0, y<0は第三象限なので,偏角の周期からn3(mod6)だけが候補になる.その候補について3x+yを直接計算し,不等式をnの上限に直して個数を数える.

解答

行列A=12(cosπ3sinπ3sinπ3cosπ3)の表す変換は,原点を中心に角π/3だけ回転し,さらに原点からの距離を1/2倍する変換である.

P(163,16)について OP=(163)2+162=768+256=32=25 であり,またcosθ=16332=32,sinθ=1632=12だから,Pの偏角はπ/6である. P1=f(P)Pn+1=f(Pn)なので,Pn=fn(P)である.したがって OPn=25n,argPn=π6+nπ3 となる.

まずx<0, y<0となるnを調べる.これはPnが第三象限にあることを意味する.偏角 π6+nπ32πを法として見ると,第三象限に入るのは π6+nπ37π6(mod2π) のときである.よって nπ3π(mod2π) すなわち n3(mod6) である.

このとき偏角は7π/6と同じ向きなので,r=OPn=25nとおくとx=rcos7π6=32r,y=rsin7π6=12rである.したがって3x+y=3(32r)12r=32r12r=2r=225n=26nである.

領域Dkの残りの条件 3x+y2k は,候補n3(mod6)に対して 26n2k となる.両辺に1を掛けると不等号が逆向きになり 26n2k である.底21より大きいので 6nk すなわち nk+6 である.

以上より,数えるべき正の整数nn=3, 9, 15,,nk+6 である.n=3+6mとおくとmは0以上の整数で 3+6mk+6 すなわち mk+36 を満たす.したがって個数は k+36+1 である.

回転しながら縮小する点列

別解

解法2

方針

行列の n 乗を,縮小率 2n と回転角 nπ/3 に分けて直接書く.Pn の極座標表示から第3象限に入る添字を n3(mod6) と決め,境界不等式を nk+6 に変えて等差数列の項数を数える.

解答

回転行列を Rθ と書くとA=12Rπ/3であるからAn=2nRnπ/3である.点 P は,原点からの距離が 32,偏角が π/6 なのでPn=25n(cos(2n+1)π6,sin(2n+1)π6)と書ける.

x<0,y<0 となるのは偏角が第3象限にあるときである.上の偏角は π/3 ずつ進むため,該当するのはn3(mod6)だけである.このとき偏角は 7π/6 と合同であり,3x+y=25n(3cos7π6+sin7π6)=26nとなる.したがって最後の条件は26n2kすなわちnk+6である.

よって数える添字はn=3,9,15,,nk+6である.n=3+6m とおけば0mk+36だから,個数はk+36+1である.

総評

難度6,計算量5,目安時間18分.行列を回転角 π/3,縮小率1/2の相似変換として読む問題である.Pn の偏角を6周期で分類し,第3象限に入る n3(mod6) だけを残す.境界条件の負号で不等号を逆向きにする点と,最後の等差数列の項数で初項を1個として数える点に注意する.

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出典: 大阪大学 2009年度 前期 理系 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。