方針
差 に注目する。漸化式から であり、 はそれ以前の硬貨投げで決まる と独立なので、期待値の差 は となる。ただし である。したがって差の期待値は等比数列になり、 は等比和で表せる。収束条件は 、極限値の最小は を微分して求める。
解答
(1)
まず とおく。硬貨の表裏は等確率なのでである。
漸化式 より である。 は を決める以前の硬貨投げとは独立なので、期待値を取ると となる。 、 であるから である。したがって なので である。また だから である。これを で表すと である。
よってである。
(2)
上で見たように であり、初めの差は である。したがって である。ただし では である。
よって のときである。すなわちである。
(3) なので である。 は初項 、公比 の等比和で表されるから、 が収束するための必要十分条件は である。したがって すなわち である。 なので両辺に をかけて となる。よって であるから である。
(4)
(3) の範囲では であるから である。 を代入するとである。これを とおく。定義域は であり、この範囲では分母は正である。
微分すると である。分母は正で、 なので、符号は で決まる。したがって は で減少し、 で増加する。 は (3) の範囲に含まれるので、最小は のときにとられる。
このときである。
別解
解法2
方針
差 を硬貨投げで現れる係数の積として明示し、独立性から各積の期待値を直接求める。期待値の漸化式を先に立てず、確率変数 自体を積の和に展開する別解である。
解答
(1) ・(2)
差を各硬貨列の積として表す。
とおくと、 でありである。したがって一方、 だから各回の硬貨投げは独立で、である。積の期待値は期待値の積になるので特に(3)
だから であり、 が収束するための
必要十分条件は である。よってを解いてを得る。この範囲ではである。
(4)
とおくとしたがって最小は のときにとられ、その値はである。
総評
確率付き漸化式だが、値そのものではなく差 を見ると一気に等比数列になる。 がその時点の差と独立であるため、期待値を分離できることを明示すると論証が安定する。収束条件は であり、 から範囲を出す。最後の最小値は端ではなく内部の で取られるので、微分の符号変化まで書くと確実である。目安時間は25分程度。