方針
自分の箱が埋まっていた球だけが無作為選択を起こし、その選択先の番号まで連鎖が進むと捉える。(1)は連鎖が または に到達して終わることを示す。(2)は のうち連鎖で最初に選ばれる箱が対称であることを使う。
解答
(1)
が に入れば、以後は各球が自分の箱に入り、 は に入る。 が に入ると、 の番に無作為選択が起こり、選べる空箱はである。途中の を選ぶと、同じ状況が の番に移る。連鎖の番号は必ず大きくなるため、最終的には または が選ばれる。前者なら は 、後者なら最後に空いた に入る。したがってである。
(2)
無作為選択が起こるたび、まだ空いている候補箱から1箱を等確率で選ぶ。これは、候補箱を無作為な順序に並べ、必要になるたびに次の有効な箱を読むことと同じである。
が自分の箱に入れるかを決めるの3箱に注目する。連鎖で最初に現れる箱は対称で、それぞれ確率 である。 が最初なら失敗し、 または が先なら連鎖が終わって は空のまま残る。
よって求める確率はである。
別解
解法2(失敗確率の後退帰納)
方針
(1) は「最初の 箱のうち空箱があるなら、それは だけ」という不変条件で示す。(2)では、 の番に が埋まっている状態から を先に埋める確率を とおく。後ろから を示し、最初の の選択へ戻る。
解答
(1)
を入れた後、各 で「 はすべて埋まり、未来の箱は未使用」または「この 箱では だけが空で、未来の箱が1個だけ先取り済み」のどちらかが成り立つ。
前者では次の球が自分の箱に入る。後者では、先取りされた箱の番号に達した球が を選べば前者へ移り、さらに先の箱を選べば後者が続く。よって帰納的に不変である。 では、前者なら は 、後者なら は に入る。
(2)
まず とする。 の番に がすでに埋まっているとき、 の番より前に が埋まる確率を とする。
このとき選べる 個の箱はである。 なら成功、 なら失敗、 なら確率 の状態へ移るから では候補が3箱なので がすべて なら後退帰納法によりである。
が を選ぶと失敗し、 を選ぶと確率 で失敗する。よって失敗確率はよって、自分の箱に入る確率は のときも、 が を選ぶ場合だけ が自分の箱に入らないので、求める確率は である。
総評
難度6、目安時間22分。乱択が起こるのは、自分の箱を先取りされた球だけであり、連鎖の番号は必ず大きくなる。解法1は3箱の相対順序の対称性を使う短い解法、解法2は失敗確率を後退帰納で と示す計算的な解法である。「対称だから」とだけ書かず、どの3箱の何が同確率なのかを明示することが重要である。