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大阪大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

次の2つの条件(i),(ii)をみたす自然数nについて考える.

(i) nは素数ではない.

(ii) lmを1でもnでもないnの正の約数とすると,必ずlm2である.

このとき,以下の問いに答えよ.

(1) nが偶数のとき,(i),(ii)をみたすnをすべて求めよ.

(2) nが7の倍数のとき,(i),(ii)をみたすnをすべて求めよ.

(3) 2n1000の範囲で,(i),(ii)をみたすnをすべて求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

整数 約数・倍数、素因数分解、場合分け

方針

条件(ii)は、1でも n でもない約数全体が幅2以内に収まることを意味する。(1) は最小の非自明約数が2であること、(2) は7が非自明約数であることから候補を有限個に絞る。(3) は最小の非自明約数を p と置き、p が素数であることと n/p も非自明約数であることを使って、n=p2,p(p+1),p(p+2) の3型に分類する。最後は 1000 以下の候補を漏れなく列挙し、実際に条件をみたすことまで確認する。

解答

(1)
n は偶数で、かつ素数ではないとする。n=2 は素数なので除かれるから、2は 1 でも n でもない n の正の約数である。

条件(ii)より、1 でも n でもない任意の正の約数 dd22 をみたす。したがって d=2,3,4 のいずれかである。

n=2k とおく。n=4 のときは k=2 であり、n>4 のときも k=n/21 でも n でもない約数である。よっていずれの場合も k=2,3,4 でなければならない。したがって候補は n=4,6,8 である。

実際に、4 の非自明な正の約数は 26 の非自明な正の約数は 2,38 の非自明な正の約数は 2,4 であり、どの場合も任意の2つの差は2以下である。よって求める n4,6,8 である。

(2)
n が7の倍数で条件をみたすとする。n=7 は素数なので条件(i)をみたさない。したがって n7 であり、7は 1 でも n でもない正の約数である。

条件(ii)より、任意の非自明な正の約数 dd72 をみたすから、d=5,6,7,8,9 のいずれかである。

また、n/7n の正の約数であり、n7 だから 1 でも n でもない。よって n7=5,6,7,8,9 でなければならない。したがって候補は 35,42,49,56,63 である。

それぞれを調べると、35:5,7,49:7 は非自明な約数どうしの差が2以下である。一方、422,3,6,7 などを約数にもつので 27 の差が5、5627 の差が5、6337 の差が4となり、条件(ii)をみたさない。

よって求める n35,49 である。

(3)
条件をみたす n を考え、1 でも n でもない正の約数のうち最小のものを p とする。この p は素数である。実際、もし p が合成数なら、p1 より大きく p より小さい約数をもつので、それが n の非自明な約数となり、p の最小性に反する。

また、n は素数ではないので n>p であり、n/p1 でも n でもない正の約数である。さらに p は最小の非自明約数だから pnp であり、条件(ii)を pn/p に適用すると npp2 である。したがって np=p,p+1,p+2 のいずれかである。

よって次の3つの場合に分けられる。

まず np=p のとき、n=p2 である。これは任意の素数 p について条件をみたす。2n1000 では p=2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31 が可能である。

次に np=p+1 のときを考える。p が奇素数なら p+1 は偶数であり、2n=p(p+1) の非自明な約数になる。しかし 2<p なので、p が最小の非自明約数であることに反する。したがって p=2 のみが可能で、このとき n=23=6 である。

最後に np=p+2 のときを考える。p=2 なら n=24=8 であり、これは条件をみたす。p が奇素数のとき、p+2 が合成数であれば、p+21 より大きく p+2 より小さい約数をもつ。その約数は (p+2)/2<p 以下なので、np より小さい非自明な約数をもつことになり矛盾する。したがって p+2 も素数でなければならない。

2p(p+2)1000 で、pp+2 がともに素数であるものを調べると p=3,5,11,17,29 が得られ、それぞれ 15,35,143,323,899 を与える。

以上を合わせ、重複を除いて小さい順に並べると、条件をみたす n4,6,8,9,15,25,35,49,121,143,169,289,323,361,529,841,899,961 である。これらは、p2 型、68、または p(p+2) 型として得られたものなので、いずれも非自明な約数全体が p,p+1,p+2 の範囲に収まり、条件(ii)をみたす。

総評

約数全体が互いに2以内に収まるという条件を、最小の非自明約数から支配する整数問題である。目安時間は30分。(1)(2) は候補を絞ったあと、候補が本当に条件をみたすかを確認するところまで書くと減点されにくい。(3) の核心は、最小の非自明約数 p が素数であり、同時に n/p も非自明約数になることから n/p=p,p+1,p+2 に限られる点である。p+1 型で p が奇素数なら2が割り込むこと、p+2 型では p+2 も素数でないとより小さい約数が出ることを明示すると、分類の漏れを防げる。

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出典: 大阪大学 2012年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。